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「何があっても誰かを否定しない」加藤諒さんが母から学んだ人生の教訓とは

現場で怒られたことが大きな転機に

ーー加藤さんは現場でも演じることだけに集中するのではなく、常に周りに気を配る様子が伺えます。その気づかいはどうして培われたのでしょうか?

小学校から通っていたスタジオの先生の影響ですね。先生が休憩中も生徒のふるまいも見てくれる人で、「どうしてあの時はあんな行動をしたの?」って聞かれ、行動の意図を自分の言葉で答えなきゃいけなかったんです。当時のダンススタジオはかなり厳しくて、僕も常に空気を読むことを意識するようにしていました。

キャリアや学びとしても大きな転機となったのが、『押忍‼︎ふんどし部‼』(舞台作品。脚本は細川徹。演出は河原雅彦。2010年に初演、2012年・2013年に再演された)に出演した時。「空気が読めていない」って周りの大人から怒られたんです。

加藤諒たしかに

ーー意識していたはずなのに……?

まず、「挨拶の声が大きすぎる」って言われたんです。子役時代から挨拶は大きい声が基本だと思っていて、また他の舞台では挨拶が気持ちいいって共演者の方が言ってくださっていたので、まさかその挨拶について注意されたのは衝撃でした。大切にしていたことが、ある人には不快な気持ちに捉えられてしまった。

ーーそこから自分の立場やあり方により気をつかわれるようになった?

自分のせいで嫌だなと思う人が出来てしまうことほど辛いことはないので、さらに「空気を読む」ことに人一倍気を使うようになりました。

仕事は遊びじゃないので、基本真面目にコミュニケーションをとります。でも、周りが大変そうな時は声を掛け合ったりしてリラックスしてもらって、といった風に切り替えるようにしています。現場にいる人みんなが楽しんでもらえたら、僕も楽しいんです。

加藤諒たしかに

ーーちなみに恩師となる方はいますか?

最近、僕が出演していた『GREAT PRETENDER グレートプリテンダー』の演出担当の河原雅彦さんです。河原さんはかの『押忍‼︎ふんどし部‼(2010年)』の演出を担当されていて、僕が全然お芝居の基礎が出来ていなかったからですが、まさに当時よく怒られていたんですよ。でもある時、「お前、役者になったな」と言ってくださって、それから色んな作品に呼んでもらえるようになりました。

河原さんは諦めないで何度も指摘してくださり、役者のお芝居が少しでも活きるように、演出を考えられていて、僕にとってはずっと師匠のような存在です。

加藤諒たしかに

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