毎日に余白を
届ける

価値観発見
メディア

『笑わせ学』主宰・しばぴーさんに聞く、自分も相手も楽しく救うお笑い術とは

大事なのは、不完全さを見せること

しばぴーさんたしかに

150しばぴーさんは、YouTubeで日常的な会話で使えるコミュニケーション術の動画をたくさんあげられてますよね。せっかくなので、コミュニケーションにまつわるお悩み相談をしてもいいですか?

150よし、どんとこい!

150仕事柄、今日のように取材に行く機会が多いのですが、何度やっても緊張してしまうというか……。喋るのが得意なわけじゃないし、考えながら話していると、たまに自分でも何言ってるのかわからなくなってしまうこともあって。どうしたら落ち着いて取材できますかね?

150なるほど。でもね、そもそも「緊張しちゃうことがあかん」って捉えることが、あんまり良くないんちゃうかなって気がする。

150ふむふむ。

150喋りが上手いのが必ずしも正解じゃないですしね。インタビューする側があまりにお喋り上手だったら、される側は「自分も上手く話さなきゃ……」という気持ちになる人もいるでしょ? だから、緊張して上手く話せないってことは、ある意味相手に安心感を与える場合もあるんですよ。

150そうか、もしかしたら最初に自分から「緊張してます」って言ってしまった方がいいのかもしれないですね。

150そう、それ大事! 前置きで「マジで緊張しいで、何言ってるかわからないかもですけど」って言っちゃうとかね。前置きって便利やなって思うんですよ。そうすれば、相手も安心して喋りやすくなる。それって喋りが上手い人にはできないことやから、良い方に解釈して自分を肯定できたらいいよね。

150たしかに。今度から積極的に「緊張してます」って言っていきます! じゃ、次いきますね。

150軽いな! ええけど。

150今は密なコミュニケーションが難しい時代じゃないですか。仕事の打ち合わせもオンラインで完結してしまいますし。そのなかで、初対面の人と距離を縮めて関係性を築いていくにはどんなことを意識すべきでしょうか。

150たしかに、僕もネタづくりの打ち合わせはもっぱらオンラインになりましたね。僕ね、結局初対面の人と話すときは、いかに安心感を提示できるかやと思っているんですよ。実際そうじゃないですか。初対面で何も知らない状況で、緊張感しか提示しないヤツに話しかけたくないでしょ?

150それは間違いないですね。

150安心感を与える方法は、たくさんあります。まずは、リアクションを大きくするのも一つの方法ですよね。もしこの取材中、僕が頷きもリアクションもせんと、ただじっと聞いてたらドキドキしちゃうでしょ?

150しちゃう。「え、伝わってない?」って内心バクバクですよ。

150そうですよね。さらにそれがリモートになってくると、反応が遅れることもあるから、いつも以上にリアクションを大きくせなあかんなって。他にも、ちょっと強面の人なら可愛らしいキャラクターの服を着てギャップを見せて安心感を出すとか、空気が硬いなあと思ったら冒頭でどうでもいいゆるーい話をするとかね。

相手が「最近さ、めちゃくちゃ眠いねん」みたいなこと言ってきたら、すごく楽になりません?どうでもいいことを話すのは、話のハードルを低くする効果があると思うんですよ。この場だったら何話してもよさそうだなって安心できる。「ここのところ、すぐ寝坊しちゃうんですよ」みたいな自虐的なエピソードもいいですよね

150それくらいであれば、ハードルも低くてすぐに実践できそうですね!

150あとはそれこそ、“笑わせる”っていうのは大きな安心感を生み出す行為だと思うんですよ。Zoomで反応が悪かったら、「びっくりした、なんか俺めっちゃスベってるのかと思った!」って言うだけで、ちょっとふふって空気が和らいで、風通しが良くなるじゃないですか。お笑いは、どんな人にでも作れる安心感だと思うんですよね。

150なるほど。ただ事務的なことを話して終わりではなく、その人自身のキャラクターが垣間見えるような瞬間があるといいのかもしれないですね。安心する。

150そうですね。自分のキャラクターに合わせた安心感の与え方を、カスタマイズしていけばいいと思います。今話したのって、日常生活において自然と人が集まってくるタイプの人を分析して言語化したものなんです。そこで気づいたのが、総じて「不完全さを見せる」ってことがめちゃくちゃ大事なんだなと。

150不完全さ。

150完璧ではない、その人の弱い部分ですよね。不完全さには可愛げがあるんですよ。それを素直に見せている方が愛されるし、「しゃあねえなあ、お前は」って助けてもらいやすい。

150なるほど、自分が運よくいろいろな人に助けてもらえているのも、不完全さが前面に出ているからかもしれない。そういえば学生の頃、アルバイト先のお姉さんたちに「あきちゃんはいつも困り顔のワンコみたい」って言われて、よく助けてもらってたな……。

150ははは(笑)。だから、どんどん不完全な自分を受け入れて、それを隠さずありのままに表現していくことが、コミュニケーションにおいて一番大事なことやなって思います。背伸びなんかしなくていいんですよ。

150その言葉にすごく安心しました。そうしていけば、自ずと自己の肯定もできるようになりそうだし、気楽にコミュニケーションができるようになりそう!

しばぴーさんたしかに

follow us
Twitter
Facebook
Instagram