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【1万字】ワクワクする心に嘘をつかない。夫婦ユニットに聞く、自分をもっと好きになる方法

真逆だからこそ、お互いが先生。

ーー先ほども少しお話がありましたが、お二人はそれぞれ「真逆」の性質を持っているわけですよね。お二人がこうして一緒に活動されているのが、なんだか奇跡のように思えるんです。

ちっち  そうですね。わたしは「生きづらさの権化」というか、ずっと苦しさと闘ってきたけれど、けんごさんは楽観的で地球上のどこにいたって楽しめちゃうような人。だから、けんごさんはわたしみたいな生きづらさを抱えている人にめちゃくちゃ興味があるんです。

けんご  ちづるさんと出会って、たしかに最初の始まりは「興味」でしたね。それはずっと継続していて、こういう言い方をするとドライだけど、今はメリットをすごく感じているんですね。

ちづるさんと出会って、たしかに最初の始まりは「興味」でしたね。

ーーメリット。

けんご  ここ数年で、対話したり自分自身と向き合ったりする中で「自分はどう生きたいのか」と考えていて。僕は今までずっとその部分を曖昧にしたまま生きてきたことに、気づいてしまったんですよね。

音楽はすごく豊かにしてくれたし、自分の財産になっていると思うから後悔はしていないけれど、絵に描いたような貧乏バンドマンでフラフラした暮らしをしてたんです。でも、ちづるさんと出会って、結婚して、正社員で働くようになって。抵抗はあったけれど、それによって違う世界を見せてもらったんですよね。音楽の世界で生きていくと思っていたけれど、意外とこっちの世界もよくね?って。

ーーなるほど。ちっちさんに出会ったことで新しい世界が見えた。

けんご  そう、音楽に逃げていたようなだらしない暮らしに戻りたくないと思ったんです。「俺、今が一番楽しいな」って。ちづるさんがいなかったら、すぐふわふわ~って楽な方に逃げちゃうのが自分でわかるし、なんとなく生きちゃってたと思う。

ちっち  わたしを透かして、わたしが見ている夢をけんごさんも見ているんだよね。

けんご  そうね。だから、そういう意味でちづるさんの存在はメリットだし、いてくれて本当にありがとうって思っています。

ーー建設的な関係なんだなと感じます。ちっちさんはどうですか?

ちっち  こんなに真逆だからこそ、お互いが先生なんですよね。わたしは「けんごさんだったらどうするだろう」って考えながら生きるようにしてて。例えば今日もね、洗濯物干したまま来たんです。わたしは真面目すぎるから、干しっぱなしなんてダメだ!って自分を責めちゃう。

けんご  僕は、干したまま乾いたのを取って着るってやってたからね(笑)。

ちっち  ね(笑)。だからわたしはけんごさんを先生だと思って、真面目に考えすぎずもっとゆるくなっていいんだって思うようにしています。同じようにけんごさんは、「ちづるさんならどうするか」っていうのをいつも考えてる。

真面目に考えすぎずもっとゆるくなっていいんだって思うようにしています。

ーーお話を聞いていて、真逆だからこそすごくバランスが取れているんだなと感じました。

ちっち  わたしたちは「中庸」を大事にしていて、ポジティブとネガティブどちらに偏ることなく真ん中のちょうどいいバランスを目指してるんですよね。極端に違う性質を持った同士だから、激しくぶつかることも多いけれど、そこを目指して努力してる。

けんご  「いい夫婦ですね」って言ってもらうこと多いけど、僕らが特別だからじゃない。どんな夫婦でもこのバランスは取れるんです。

ーーちょっと踏み込んでしまうかもしれませんが、違う性質だからこそたくさんぶつかることで消耗したりさせたりしてしまう部分もあると思うんです。それでも一緒にいられるのってなぜなんでしょうか。

ちっち  そうですね。わたしたちは、二人ともまるっとこの性格のまま生きた方が成長できると思っているんです。わたしは繊細であることが長所でも短所でもあるし、けんごさんの楽天家なところも同じ。

自分で短所としてだけ捉えちゃうと「また疲れさせた」とか「また傷つけた」って罪悪感が出ちゃう。そうじゃなくて、お互いそのまままるっといた方が、パフォーマンスがいいっていうのを知ってるよね。

けんご  そうね、それはあると思う。僕らが一緒にいる中で一つ気をつけていることが、「愚痴らない」なんですね。愚痴って一方通行じゃないですか。

ちっち  愚痴って、自分が正解で相手を間違っていると思うから言いますよね。でも、そうじゃなくて喧嘩して「本当は悲しかった」とか「自分はこう感じてしまった」という怒りの根っこに自分自身で気づいて、相手に伝えることが大切だと思っていて。

だから、めちゃくちゃぶつかるしたくさん喧嘩もするけど、単純に相手をディスることはしない。

けんご  あと僕らのルールとして、喧嘩を持ち越さないんですよ。喧嘩がいつ始まっても、答えが出て二人が納得できるまで話し合うっていうのは特徴かもしれない。

ちっち  持ち越せないんですよね。

ーー個人的にはすごく共感します……。ただ、疲れている中での喧嘩は、それこそお互いに消耗してしまう気がして。

けんご  でも結局それが、一番の近道なんですよ。

ちっち  感情って、爆発させてしっかり燃やしたらなくなるから。その時々に自分が溜めているものをバーって燃やしちゃった方がいい。ムカつく!って思う時にちゃんと「ムカつく!」ってちゃんと感じるのが近道。

けんご  そうね。燃え切るもんね。

ちっち  パートナーシップには正解がないし、わたしたちの形が正解でもないと思うから、自分たちにしっくりくる方法を見つけていけたらいいですよね。

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