子育ては誰だって大変!マイノリティにはさらに困難な事も
マイノリティとは社会的少数派と訳され、国籍や人種、性別や性的指向、障がいや病気の有無など様々な面で少数派の人々を意味します。日本でも多様な背景を抱える人が暮らしていますが、法律などの社会制度から、日用品のような日々の生活に関わる物まで、多くはマジョリティを基準に作られています。そのため、マジョリティが何気なく暮らしている生活でも、マイノリティの人には不便に感じたり困惑してしまうことがあるのです。
子育てにおいても様々な場面で、マイノリティの人が困難を感じる事があります。例えば、母国語が日本語ではない人や、文字を読むことに障がいを抱える人には、粉ミルクの表示を見ても使い方を理解するのが難しい場合があります。粉ミルクの調合や管理の仕方を間違えてしまった場合、赤ちゃんの体調、最悪の場合は生死に関わる事態にもなりかねません。
近年は、様々なマイノリティの人に向けられた資料やWebサイトがあるので、各々に合った情報や必要なサポートに辿り着ければ、大きな問題なく子育てをしていける場合も多いでしょう。しかし情報に行きつく過程で、やはり日本語を読みながら進める必要があると、そこに困難を感じる場合は情報収集すら苦痛になってしまう事が少なくありません。
育児中は子どもの世話で疲弊して冷静な判断ができない事もあります。初めての子育てでは特に、分からないことや不安な事も多いでしょう。また、問題が家庭内という親子だけの空間で起きている場合、周囲からは気づけない場合も少なくありません。そのような状況下、必要な情報を探す事すら困難な環境であることは、親子ともに心身のリスクが高まってしまうのです。
理想的なのは、マイノリティの家庭が孤立した状況に陥ってしまう前に、必要な情報提供サービスやサポートへ繋がっている状態ですが、それはマイノリティの人の努力だけでは対処しきれない事もあるでしょう。マイノリティの人が子育てをしやすい環境を整えるには、マジョリティ側の人にも、必要な情報への橋渡しをできる人がどれだけいるかという事が、重要な鍵となりそうです。