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あなたの職場は働きやすい?マイノリティもマジョリティも、誰もが仕事をしやすい職場とは

マイノリティの人が仕事で能力を発揮できる環境とは?

マイノリティに対してあからさまな差別や偏見がある職場はもちろん問題です。しかしマジョリティの人が当然のように過ごしていることでも、マイノリティの人にとってはバリアになっている場合や、何気ない言動がその人を傷つけている可能性もあります。

そのような点を考慮して、サポートや意識の改革を行っていくことが「エクイティ」と「インクルージョン」です。

まず、「エクイティ(Equity)」は公平性。すなわち、すべての人が公平に、情報、機会、リソースへアクセスできることを保証することです。すべての人が同じスタート地点にいるわけではないと認識し、不利な状況にある人が感じているバリアを取り除くことで実現できます。

せっかく有益なアイディアや能力を持つマイノリティの人がいても、仕事をする過程で作業に支障があったり、発言が困難な状況では、その力は生かされません。工事をして建物のバリアフリー化を進めることも「エクイティ」の一つですが、日々の業務の中でも様々なバリアがあるはずです。

例えば会議では、視力や聴覚に関するマイノリティの人でも、マジョリティの人と同じ情報や発言の機会を得るための工夫が必要でしょう。普段の会議では配慮がされていても、急なオンライン会議では対応できないというのでは仕事に支障が出てしまいます。様々な状況に応じて、誰かが不利な状況になっていないか、サポートが必要な人はいるか、互いに気を配り助け合うことが必要となります。

そして、「インクルージョン(Inclusion)」は包括を意味します。多様な人材が一人ひとりの能力やスキルを認め合い、企業や職場の中で各々の力をしっかり発揮できる状態です。その人が持っている力を仕事に活かし、やりがいを感じられる環境を整えるということです。

例えば、マイノリティのジャーナリストが、その視点を生かした報道の素材を持ち寄ったとします。しかし報道されるまでの過程でマジョリティ寄りにバイアスがかけられて、当初の意図とは別の形で世の中に発表されてしまうのでは、そのジャーナリストはやりがいを感じないでしょう。周囲がマジョリティの価値観を優先し、迎合してしまう環境では、マイノリティの人の能力は生かされません。

様々な価値観を尊重することは組織全体、社会全体のメリットになるという事を共通の認識として持ち、組織の一人ひとりがマジョリティに偏った価値観に流されてしまわない意識を持つ必要があるのではないでしょうか。

ただし周囲から強要して、その人のマイノリティな面を仕事に利用させるのは、マイノリティを尊重する事とは異なります。マイノリティの背景を持つジャーナリストでも、自然や生物に関する知識が豊富で、環境問題に関する情報を発信していく仕事をしたいという人もいるでしょう。その人に、マイノリティである事が生かせるはずだと、社会問題や政治問題に関わる仕事ばかりを任せるという状況では、能力を十分に発揮できる環境とは言えないはずです。

当たり前のことですが、マイノリティの人が持つ能力は、その人のマイノリティな背景に関わるものだけではありません。たとえ周囲の人は良かれと思って勧めていたとしても、本人の希望ではない所でマイノリティを利用されるのは、マイノリティを理由に制限を受け、差別を受けている状況になりかねません。

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