相手を尊重する職場環境、それはマジョリティにも必要なはず
マイノリティの人が能力を発揮できる環境作りに必要なのは、相手のマイノリティな面を特別視する事ではなく、相手に自分の価値観を押し付けない事ではないでしょうか。相手がどのような人でも、その人を主体として、得意分野と困難な事を把握し、本人の希望する方向にバリアがあれば取り除くという配慮が必要だと考えられそうです。
マイノリティとは、その人の一つの面が、ある集団で少数派だ、という事に過ぎません。マイノリティな面が自分にとって重要であるという人もいれば、他にもっと大事なことがある人もいます。または、あまり触れてほしくないという人もいるでしょう。
何を大切にしているかは、人によって様々です。そして、自分が大切にしていることを尊重してほしいという気持ちは、マイノリティの人も、マジョリティの人も同じはずです。
価値観や考え方を含め、相手が大切にしていることを尊重し、必要なサポートを提供し合える労働環境や人間関係を築くこと。それがマイノリティ、マジョリティに関わらず、誰もが仕事をしやすい職場を作るのではないでしょうか。まずは一人ひとりが、自分とは異なる価値観に少しでも意識を向けてみることが、DE&Iの実現に向けての第一歩になるかと思います。
編集部のここが「#たしかに」
「ダイバーシティ」に積極的な企業は増えていますが、そこで働く一人ひとりの意識を変えることは簡単なことではなく、「エクイティ」や「インクルージョン」が配慮されていない職場があるのも現状です。もし仕事内容や職場の人間関係で困った事がある場合は、様々なマイノリティの背景に応じた支援団体や相談機関がありますので、一人で抱え込まずに、ぜひ相談してみてくださいね。仕事は、生活費を稼ぐという目的はもちろん、生きがいの観点で考えても大きな役割を持つものです。多様な価値観が尊重され、マイノリティの人も安心して能力を発揮できる職場が増えることで、社会全体も、様々な人がより生きやすいものになるとよいですね。