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共感力は鍛えられる!仕事に役立つ共感力の高め方

共感力の鍛え方!必要なのは、客観性と想像力

共感には、相手と自分の考えをしっかり分けて把握する客観性と、相手の言葉から相手に何が起きたのか、どう捉えているのかを推測する想像力が必要です。日頃から客観性と想像力を高める意識をすることで、共感力を鍛えることができるでしょう。

客観性を高めるには、主語が「相手」なのか「自分」なのかを意識して会話をするとよいでしょう。相手のためのアドバイスも、「自分が」良いと思うことを勧めているにすぎません。相手の意見に対して「自分が」賛成か反対かを考えるのではなく、まずは「相手が」どうしてそう思ったのか、何を求めているのかを正確に捉えることを意識しましょう。

想像力を高めるためには、積極的に様々な人の意見を聞いたり、多様な価値観の情報を仕入れたりして、広い視野で物事を考える力を養うことが大切でしょう。自分の価値観に囚われた狭い視野では、相手の言葉の背景を正確に捉えられません。自分と相手の価値観や考え方は違って当然だという前提の上で、相手に何が起こっているのかを想像することが重要です。

また、自分一人では主観的な想像になってしまう場合、複数人で「相手」について考察するのも、共感力を高める有効な手段です。ビジネスで用いられる実践的な手法の一つ、共感マップをご紹介します。

共感マップとはマーケティングに使われるもので、消費者が普段感じていることを想像して書き出した図面です。共感マップの作成により消費者を深く理解し、商品の改良・開発の手掛かりにするのです。グループ作業で共感マップを作成すると、一人で考えるよりも多様な視点からの想像が加わり、情報の主観的な偏りを減らすことができます。

共感マップの作成にはまず、ペルソナと呼ばれる架空の人格を設定します。例えば、例のクレームを反映した商品を考えるなら、クレームを入れた消費者に近い人物になるように、”年齢は60歳、家族構成は・・・”などと、プロフィールを詳しく設定します。

次にペルソナの状況を想像して書き出します。次の6区分に分けて想像すると整理しやすくなります。
1.見ているもの
2.聞いていること
3.考えていること・感じていること
4.言っていること・行動していること
5.痛み・ストレス
6.得られるもの・欲しいもの

「『まずい』とクレームを入れた」という言動の背景には、「加齢で味覚が低下し、料理が見た目のイメージより薄味に感じる」「最近は減塩が良いという話ばかり聞いてうんざり」「家族が作る料理は健康志向で薄味。時々は濃い味のものを買って食べたい」などが想像できそうです。

これらの情報だけだと、塩味の効いた濃い味付けの商品に改良・開発すればよいのか、という話になりそうですが、痛み・ストレスの区分で「実は高血圧。健康への不安と味覚の欲とのジレンマでイライラしている」、欲しいものは「しっかりした味付けだけれど、体に優しい料理」などという情報が加わると、単純に塩分量を増やすだけではペルソナのための商品にはならないのでは、と推測できそうです。

そうすると、塩分量はそのままで、出汁などを工夫して旨味成分を変えてみようか、などというように、より客のニーズに合った商品への改良・開発ができます。商品そのものだけではなく、キャッチフレーズやパッケージデザインなども、対象の消費者の心により響くものを考えられるはずです。

ただし、想像をまとめた時点では仮説状態にすぎないので、共感マップが本当に消費者に寄り添っているのか検証が必要です。アンケート調査などを行って情報の訂正や追加をすれば、より実体に近い共感マップになるでしょう。商品やサービスの改良・開発に共感の視点を取り入れたい時には、ぜひ活用してみてくださいね。

編集部のここが「#たしかに」

共感はマニュアルのある小手先のテクニックではありません。何より大切なのは相手に寄り添おうとする心がけです。共感力を持って様々な人の多様な価値観に触れる経験は、仕事の糧にもなるでしょう。まずは会話をするとき、客観性を保つことと相手の言葉の背景を想像してみることに、少しだけ意識をして、共感力を高めてみてくださいね。

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