3つの共感とは
心理学の研究者によると、共感には3つあると言われています。
1.気持ちを共有すること(情動的共感)
2.人の気持ちについて考えること(認知的共感)
3.配慮すること(動機的共感)
1つ目の「情動的共感」とは、体験を共有することによって感じる、自他の距離がなくなっている状態で起こる共感です。想像の中で悲しんでいる人と立場を入れ替える事で、感情が揺さぶられます。これはサルやネズミなどにも見られ、進化の面ではかなり古い現象のようです。生まれてすぐに芽生えるものです。
2つ目の「認知的共感」とは、友人の苦しみを共有しながら同時に相手の心の中を思い浮かべることです。
どんな風に心が揺さぶられているのか、友人の立場になりその状況や言動のピースを集めて推測します。これは体験共有よりも複雑で、ほとんどの動物には備わっていない高度な認知能力を必要とします。進化においては後になってから芽生えたもので、一種のスキルともいえるでしょう。
3つ目の「動機的共感」とは、辛い気持ちになっている友人を前に、その気持ちを想像しているだけではなく、友人が楽になってほしいと願い、その方法を考える事です。
他者の幸せを願い、叶えたいという意欲ある共感は、思いやりのある行動に繋がりやすいといえます。