インタビューを通じて、居場所を作る
現在、たかまつさんは時事YouTuberとして社会問題を解決する番組を作られています。元々、社会問題に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
小学校4年生の時に、登山家の野口健さんの環境学校で富士山でゴミ拾い活動に参加しました。その時、バスやトラックが不法投棄されている現状を見て衝撃を受けたんです。「ゴミを拾って得する人はいないから、税金を使うべき」だと思い、社会問題を解決するのには政治が重要だと気づきました。
番組では性教育や薬物依存症など、普段の会話の中でも触れにくい話題を扱っているのが印象的です。社会問題を取り上げる際に、意識されていることはありますか?
情報に間違いがないように、医療など自分の専門分野ではない時には、監修者をつけることが多いです。センシティブな話題を取り扱うことが多いので、出演者の方に、気持ちが辛くなったらカメラを止めることが可能ですとお伝えするなどしています。
たしかに、番組ではインタビュー者が話しやすい雰囲気づくりをされていますよね。
私はインタビューを通じて「居場所を作りたい」と思っています。動画を見てくれた方が「悩んでいるのは一人じゃないんだ」と思ってもらうために、その人の成功物語よりも「どういう苦労があって、何が支えになったのか?」について聞いています。
以前インタビューした方から「会話を遮らないので、取材が楽しかったです」と言ってもらえて。この言葉を聞いた時、とても嬉しかったです。
「居場所を作りたい」という思いは、いつ頃から芽生えたのでしょうか?
YouTube番組を作っていた時ですね。一時期「これは誰のために作っているんだろう?」って考えたことがありました。そんな中、毎日死にたいと思っている人が「また明日も頑張ろう」と思ってもらえる番組こそが、価値あるものだと気づいたんです。
政治家に取材する時に気をつけていることはありますか?
今のメディアって、意外と政治についての情報を「知ってて当然でしょう!」って聞いてくれないこともありますよね。専門の記者なら理解しているかもしれないけど、一般の方も疑問に思ったことを知りたいはずです。なので、「政党の理念ってそもそもなんですか?」という初歩的なところから聞きます。
そのために、私の番組では10年後でも見られるような動画作りを意識しています。最初は再生回数が低かったんですけど、徐々に何十万人もの多くの人に見てもらえるようになりました。