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自分を裏切らないために。昆虫食クリエイターの篠原祐太さんが批判に翻弄されず、好きなことを貫く理由

昆虫食を仕事にして感じた「好きなことを仕事にする苦しさ」

たしかに編集部篠原さんがオーナーを務めるレストラン「ANTCICADA」はどういった経緯で誕生したんですか?

篠原さん昆虫食をカミングアウトした後の大学生活では、定期的にコオロギラーメンなどの昆虫食イベントを開催していました。大学卒業後は人間に強い関心があったので、人間模様が色濃く味わえる「シェアハウス運営」や、衣食住の固定概念をほぐすという意味で「ふんどしを製造し、新しいふんどしの魅力を提案する会社」などもやっていました。それに特定の仕事にこだわりがあった訳ではなかったんですよね。

だけど、昆虫食を通して多くの人と関わっていく内に「昆虫へのハードルを下げるために、気軽に来れるレストランがあったらいいな」と思い、大学卒業を機に、約2年間一緒に働くメンバーを探して、2020年にANTCICADAをオープンさせました。

たしかに編集部レストランの「ANTCICADA(アントシカダ)」という名前はとても個性的ですよね。どういった意味が込められているのでしょうか?

篠原さん僕はイソップ寓話「アリとキリギリス」の話があまり好きでなくて、アリとキリギリスは違う生き物で違うリズムで生きているのに、それを比較するような展開になっているのがずっと疑問でした。

アリにはアリの、キリギリスにはキリギリスの良さがある。このお店ではそんな生き物それぞれの良さを伝えていければなと思っています。後は「アリとキリギリス」の話は元々「アリとセミ」だったと言うことも含めて、「アリ(ANT)」と「セミ(CICADA)」という言葉を組み合わせています。

たしかに編集部なるほど。 ANTCICADAを開業してみて3年が経ちますが、振り返ってみてどうですか?

篠原さんANTCICADAに込めている「食は作業ではない、冒険だ」というテーマの通り、3年前に比べると、より多くの人に昆虫食の可能性を伝えられたのかなと思っています。

その一方で、自分の中では「好きなことを仕事にする辛さ」も感じていて。好きなことだからこそ、それを表現する手段としてやりたくないことや心から納得できない瞬間があることにもどかしさを感じる時もあるんです。

たしかに編集部仕事で苦しさを感じた時、篠原さんはどうやって解決しているのか気になります……!

篠原さん休みを取って高尾山に登りに行ったり、銭湯やサウナに行ったりして、心身共に解放できる状態をつくっています。普通にお湯に浸かるだけでも地球を感じられる瞬間なので、とてもリフレッシュが出来るんです。

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