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「いまだにドッキリだと思ってます(笑)」クロちゃん・7ORDERと模索する、価値観を認め合う世界

周囲に何を言われても曲げないのは、自分にとって大切なものを否定したくないから

たしかに編集部今回の楽曲で、クロちゃんが共感した歌詞を教えてください。

クロちゃん「ボクの価値観 キミの価値観 あの子の価値観 みんな違うけど 誰も間違ってはいないこと みんなに気づいてほしいしん」という歌詞が冒頭にありますよね。みんなそれぞれの価値観を持っているけど、100人いたら100人がイエスと答えるような考えはないと、いつも感じています。自分にとって絶対に正しいことでも、他の人にとっては意外と違っていたりする。そこを押し付けても喧嘩になったりして、不毛だと思うんです。

たしかに編集部歌詞には「子どものころは 裸足で登校 すれ違う人みな ボクのこと笑った 指さして笑った」とありますが、クロちゃん本人のエピソードなんですよね。

クロちゃん中学生の時、脚を鍛えたいと思って、「昔の人は裸足で歩いていたから丈夫だったんだろう」と始めたんです。お金がないと思われたくないから、靴は左手に持っていました(笑)。だんだんと脚が強くなることを感じたので、「間違っていなかったんだ」と嬉しかったんですが、周りからは変な目で見られてしまう。嫌な気持ちがした一方で、「ここで周りを気にして自分を曲げてしまったら、それまでの自分の努力とか大切にしたかったものを否定することになってしまうな」とも思っていて……。それ以来、自分がやりたいことは、誰に何を言われても続けようと考えるようになりました。

真田さん裸足のエピソードが事実だと知った時は驚愕でした。中学生でそんなに自分を貫ける人がいるのかと……。

クロちゃん続けてるとガラスが足の裏に刺さらなくなるよ(笑)。

真田さん刺さってはいますよね、痛くないだけで(笑)。

たしかに編集部自分が変わり者であっても、突き進むしかないと感じたんですね。

クロちゃん僕が当時から嫌だったのは、集団の中にいると「強くなった」と感じてしまう人。一人では何も言えないのに、他の人といると急に文句を言ってくる。裸足で歩いていた時も「だから声も変なんだ」とか関係ないことまで言われたのですが、それはコンプレックスから来ていると思うんです。だから自分は、たとえ弱くても、一人で言えないことをみんなでいる時に言うことは、絶対しません。

たしかに編集部芸人になった今も、クロちゃんはどちらかといえばマイノリティな存在です。生きづらいと思うことはありますか?

クロちゃんSNSでの書き込みは、最初の頃は気になっていました。仕事が終わって「歩いて帰る」と言いながらタクシーに乗ったり、「帰って筋トレします」と言ってやらなかったり、100回に1回しかないようなことがテレビでオンエアされると、たちまち「嘘つきだ!」と炎上するんですもん(笑)。

諸星さんでも考えてみると、自分たちもそういう時ってありますよね。たまたま切り取られ方でそう見えただけで(笑)。

クロちゃんそんなことがあると、翌日に朝起きて「おはよう」とSNSで呟いただけで、「また目が覚めやがったか」とか言われる(笑)。時には「早く永眠してください」「お前が気持ち悪くて食べ物を吐いてしまったから、弁償してください」とか、罵詈雑言も飛び交うんです。でも、中学の話と同じで、「ここで自分を変える必要はない」と意識しています。自分のSNSを一つ一つ見返してみると、自分は何も間違ったことはしていない。おかしなことを言ってくるのは、その人の主観に過ぎないと割り切っています。

たしかに編集部世の中に晒されながら自分を保てるのはすごいと思います。皆さんは、自分と異なる価値観の人に対して、より寛容になるために心がけていることはありますか?

諸星さん僕が注意しているのは、人の話を最後まで聞くことです。相手が意見を話している途中で口を出してしまうと、相手をちゃんと知ることができない。一度は全部聞いてから、ここは共感できるなとか、でも自分はやっぱり違うと思うなと判断しても遅くはないと思うんです。

真田さん母親に言われた「人には優しくね」っていう言葉がずっと残っていて、観葉植物を育て始めたんです。この前自分で育てたハーブを食べたんですが、その美味しさが忘れられなくて。見返りを求めずに献身することの喜びは、何かを育てることで体験できるのかもしれませんね。

クロちゃん僕は周りとは違う事ばかりして育ってきたので、今は新しい価値観の人と出会った時、「そんな感情もあるのか」と常に勉強している感じですね。僕みたいにマイノリティ側の人間は、全員と仲良くなれるわけではないけれど、いざ仲良くなったら、その人のことをずっと信用しようと心がけています。一方で、苦手だなと思う人ほど、きちんと接するようにもしています。ちゃんとしておかないと、何かあったときに結局自分に返ってきてしまうと思うので。

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