仕事における性的マイノリティ(LGBT)について
LGBTなど性的マイノリティは、自分の思っている心の性別と体の性別や恋愛として好きになる相手の性別によって大まかに分けられています。
レズビアン(L)は、自分を女性と認識したうえで、好きになる対象も女性という人を指します。ゲイ(G)は自分を男性と認識したうえで、男性を好きになる人を指します。バイセクシャル(B)は自分の認識とは別に、女性も男性も恋愛対象という人を指します。トランスジェンダー(T)は自分の心と体の性別が一致せず、違和感がある人を指します。
呼び方を分けていても、この中でも該当するものとしないものがある人もいるため、言葉通りにすべてを分けられないのです。
その為、このなかに当てはまらないけど、心や体に違和感を持っているという人は「Q」として、「クエスチョン(分からない)」や「クイア(“不思議な”を意味し、いずれにも当てはまらないという使い方をします)」などと表現されています。
これは「空を想像してください」と言われたときに、人によって雲一つない空だったり、雨の音が聞こえていれば雨空を想像したりするように、個人によって細かく異なり、流動的かつ正解のないものなのです。
仕事におけるLGBT受け入れや理解について、日本はまだまだ社会全体・企業ごとの対応が遅れているのが現状です。
LGBTを含め多様性を受けいれている海外では、男女や障害の垣根無く誰でも利用できるトイレが設置してあったり、自分のデスクに同性パートナーの写真を飾ったり、LGBTだからといって査定が不利になることも仕事で不利益になることもなく、その人の考え方や在り方も含めて「その人自身」を受け入れて認めています。この「認める」「受け入れる」というのは、簡単なようでとても難しいのです。
昔ながらの日本企業は、男性が営業職・女性が事務職という性別と仕事が固定された考えがあったものが少しずつ変化していますね。とはいえ、まだまだ割合は大きく変わっていません。
職業という目に見えるものでさえ、「これまではこれが主流だった」という概念を動かすには、時間と企業努力と継続する力が必要になるのです。ということは、より複雑で種類の豊富な性的マイノリティに関わる概念を動かすのは、一朝一夕にはできないということが分かります。