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田舎暮らしに憧れる、都会育ちのバリキャリ女子が、Iターン転職を叶えて気づいたこと。#たしかに

ひとつの場所に留まるのが怖い。

――そもそも、地域おこし協力隊にはなんでなろうと思ったんですか?

「田舎暮らしがしたい」とずっと思っていて。私、高校3年間、スイスに留学していたんです。山奥にある学校で周りには何もない所でしたが、その田舎の雰囲気が心地良かった。東京で働いているときに人の多さに疲れてしまい、自然に囲まれた場所で暮らしたい、そう思うようになりました。

――スイスの高校とは珍しいですね。自分で決めたんですか?

「1度は寮生活をしなさい」と親に言われていたのと、私自身もいつか留学したいと思っていたので。あまり深く考えず、親が見つけてきた学校に行こうと決めました。先生は外国人が多く、授業は英語、フランス語、日本語の授業もありました。その時の経験から度胸がついたというか、生活のベースを変えることに全く抵抗を感じないんですよね。むしろひとつの場所に留まるほうが怖い。家を買うなんて想像つかなくて…。一生そこにいるって決めるの怖くないですか?

――自由でいたい気持ち、わかります。

一般的に3、4年目で転職を考える方って多いですよね。私も30歳になる前に何か新しいことを始めたいと思ったんです。地域おこし協力隊の任期は最長3年。任期を終えた後に新しいことをするにも、早い方がいいなと。田舎に飛び込むなら20代の方が受け入れやすいとも考えました。

――移住のいちばんのハードルは地域の方とうまくやれるかどうか、ということもよく聞きます。

最初の1年は「お客さん」という感じでした。SNSで『枕崎職人手帖』という取材企画を始めたのですが、それをきっかけに個人的なつながりが増え飲み会などにも誘われるようになりました。ただPRの仕事は、溶け込みすぎるのはよくないとも思っていて、言わなきゃいけないことはちゃんと言える関係性というか、よそ者だから気づける客観的な視点は大事にしたいです。

――たしかに、客観性は大事ですね。残りの1年はどんな風に活動していく予定ですか?

先日、観光ボランティアが開催する街歩きイベントをお手伝いしました。地元の人も知らないとっておきの場所を巡り、参加者にも好評でした。枕崎市には、地元の人も気づいていない魅力がたくさんあります。同じ場所に長くいると「何もない」という先入観にとらわれることもあると思うんです。そういった先入観を払拭し、地元を誇りに思ってもらうスピリットを植え付けて、地元の人から街の魅力を発信してもらえたらいいなあと。

海蝕橋(かいしょくきょう) たしかに

▲地元に残る名所。海蝕橋(かいしょくきょう)と呼ばれる岩の橋。かつては2つの岩が連なり、国内唯一の天然の双橋として県の文化財にも指定されていたそう

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