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アイドルから著名ライターへ。大木亜希子さんに聞くセカンドキャリアの導き方

何を選んだとしても、自分の本質に戻ってくる

ーーまず会社所属のライターになっているんですよね、実際に就職してみてどうでしたか?

それまで経験したことがなかった名刺交換はすぐでできたんですけど(笑)、ビジネスメールの型とかは取得するのに時間がかかりました。

入社したその日から記事を書かせてもらって、とにかく何本も記事を書いて仕込んでもらいました。そうしたら、1年目で書いた記事がウェブ上でヒットするようになってきたんです。

ーーすごい!どんな記事だったんですか?

芸能活動で知り合ったマッチョ集団の「マッチョ29」さんや、“セルフ亀甲縛り”で話題の栗山夢衣さんというアイドルの方など、当時、まだ世の中の人があまり知られていないコンテンツを先取りして紹介させてもらったんです。

女優やアイドル時代の人脈を記者として紹介できて、その人たちについて私が取り上げた記事がヒットして光が当たることがとても嬉しかったし、その記事を書くことで自分の悔しさが成仏された気がしました。

ーー前職で培った経験が、ライター業でも役に立ったんですね。

私は自分の才能も分からないまま大人になったので、ずっと自分に自信がなかったんです。だからか、おこがましいんですけど….. 芸能活動に不安を抱えながらも来るべき時に備えて“売れる準備”をしている方や、何年も腐らずに自分の才能を信じ続けている方とか、そういう人たちの気持ちが分かるというか。そういう人たちにスポットが当たる取材をできるようになりました。

世の中には色々な人がいて、人生の成功は一発でできるものじゃないし、若くして成功しなくても大丈夫だし、一番じゃなくてもいいんです。大まかに言って、「多様性」を今も感じ続けています。

ーー今までとは全く違う職種の世界に飛び込むことは不安も大きいですよね。大木さんはどうやって乗り越えましたか?

実は、会社員3年目のある日、人生に焦りすぎて駅のホームで歩けなくなったんです。それで心療内科に行った時、私もクリニックの先生に、「これからどうやって生きていけばいいんですか?」って不安を口にしたんですよ。

そしたら先生が、「何を選んでも正解ですよ。何を選んでも最終的には自分の本質に一番近いものを選ぶようになってくるから」と言ってくれて。その言葉に心の底から安心して、見栄も全て消えていきました。

不安な気持ちはすごく分かる。でも、何を選んでも大丈夫なので、誰かが決めたルールに乗らない勇気を持って欲しいと思います。

ーー今、キャリアで悩んでいる方にとても響く言葉だと思います。

何か仕事をやりたいと思ったら、会社名や規模感をそこまで重要視せず、まずは「その職種になる」ということが一番大事な気がします。

そして、そこできちんとお給料として、お金をいただくことも大切ですね。

一流の会社に就職したり、大手企業に入ったりすることだけに躍起になるのではなく、まずはなれるものを探すこと。

自分でお給料が発生する環境をつくれば、その時に人間は初めて重い腰をあげる生き物なんじゃないかな…と経験上、そう思います。

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