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アイドルから著名ライターへ。大木亜希子さんに聞くセカンドキャリアの導き方

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人生の答え合わせがしたい

ーー大木さんの最新作「アイドル、やめました。AKB48のセカンドキャリア」では、AKB48グループを卒業し、セカンドキャリアを歩む女性を追跡取材していますよね。どうして「アイドルのセカンドキャリア」について書こうと思ったのですか？

アイドル時代に、「これからどうなるんだろう……」って不安に思いながらも、他のアイドルの子達と口を揃えて「頑張ります！」としか言えなくて。ずっとモヤモヤした気持ちがありました。なのでその鬱憤を晴らしたいと思い、私と同じような経験をした女の子に話を聞きに行ったんです。

私は、「あの時って大変だったじゃないですか？」って人生のすり合わせがしたかったですよ。でもみんな、「あの時の経験があるからこそ、今の人生が楽しい」って返事が返ってきて、そこにはめちゃくちゃ素敵な女性がいたんです(笑)

ーーみなさん前を向いていたんですね。

そうなんです。この本に登場する元「NMB48」メンバーで現ラジオ局社員の河野早紀さんは、現役時代は、なかなか選抜に入ることができなかったそうなのですが、劇場に立った時のMCのネタにしようと思って、FMラジオをつけたらラジオにハマってしまい、そこから超難関のラジオ局の新卒採用に合格して人生が豊かになったそうなんです。凄い努力家じゃないですか！

それを聞いた時に、これはもう完全に私が予測した流れと違うなと。傷つきながらも前を向いている8人の女の子の人生を背負ったと、生半端な気持ちでは書けないなと思いました。

ーーちなみに、この8人に決めた理由は？

元アイドルの方は何百人もいたんですけど、できれば完全に芸能界と別の世界に進んでいる子を選びたくて。新たなセカンドキャリアを歩んでいる、その中で自分が興味を持っているってなるとこの8人、といった感じです。

取材者のリサーチもわらしべ長者のようにアイドル時代の先輩から聞き出して、もう探偵みたいにエクセル表に手作業でひとりひとりまとめていきました(笑)

ーー先ほど記事を書くことで、「自分の悔しさが成仏された気がしたんです」と言っていたように、この本でも過去の大木さんの思いが成仏されたように感じます。

5〜6年前、世間は「アイドル戦国時代」と言われて、たくさんのアイドルが出てきて、好きじゃなくてもみんな情報が入ってきたじゃないですか。でも、その後のことは誰も追いかけていなくて、私はそれに憤りを感じていました。

アイドルのムーブメントにあれだけ世の中が熱狂して、それがなんだったのか答え合わせがしたいんです。メディアに出る側だった私も、応援してくれたあなたも一緒に。