呼吸は、本質的な健康の土台
この数分でも、なんだか身体に力が湧いてきた気がします。心は落ち着いているけれど、ちょっと前向きというか。
よかった! 今はインスタントの時代で、サプリや健康法をとっかえひっかえする健康ジプシーの人も多いけれど、まずはやっぱり土台である呼吸さえしっかりできていれば、イキイキするんです。別にこれ「息」とかけてないけどね(笑)。
ははは(笑)。息をしっかり吐いて吸えれば、イキイキするんだなあ。
はい。わたし自身、日々良くなっていく自分に出会えるのがすごく楽しいし、歳を取れるのも豊かだなって思います。呼吸法の何がすごいって、繰り返してどんどん上達していくので、年月を重ねれば重ねるほど上手くなるんです。時間をかけたからわかることってあるでしょう?
呼吸の講座の生徒さんの中には、60代や70代の方もいますが、みんな顔色がよくなって桃色に変わっていくんですよ。それを見ているだけで本当に幸せだし、自分と同じようにみんなの生活が変わると思ったら、ワクワクするでしょ?
周りの人たちの変化がモチベーションなんですね。「自分が健康になってよかった」で終わらせず、周りにも伝えていこうという姿勢が素敵だなと思います。
ありがとうございます。「姿勢と呼吸だけなんだよ」というのが、もう少し広まれば嬉しいなって。だってみんなが健康な方がいい世の中じゃないですか。
そういえば、コロナ禍でマスクが必需品になったことで、多くの人が息が苦しいことや自分の呼吸の浅さに気づき始めたんですよね。
テレビや雑誌でも「呼吸」という文字をよく見るようになって、今回取材を依頼させていただいたのもそれがきっかけでした。
そうですよね。ただ先ほども言いましたが、呼吸はブームで終わるものではない、本質的な健康の土台だと思っているので、それに気づいてたくさんの人が元気になっていけばハッピーですね。
呼吸は本質的な健康の土台。胸に刻みました。最後になりますが、「呼吸アドバイザー」として、椎名さんがこれからやっていきたいことはありますか?
そうですね。日本ではもう15年やってきたので、コロナ禍が明けたら世界中を回っちゃおうかなって思っています。
おお、海外! たしかに関心が高そうですね。
そうそう、海外の方で興味を持ってくださる方多いんですよ。「ZEN(禅)」というワードへの関心も高いですし、日本よりも薬に頼らず自分で不調をなんとか治したいと思っている方が多くて。そんな矢先にコロナ禍になってしまったんですよね。今はオンラインで受講してくださる方もいるんですけど、状況が落ち着いたら海外に渡ってもっと広めていきたいなと思っています。
呼吸の可能性をひしひしと感じました。本日はありがとうございました!
編集部のここが「#たしかに」
わたしたちは人間である前に、自然物。ただただ今の不調を嘆いたり、誰かに治してもらおうと期待したりするのではなく、まずは不調がどこから来ているのか、自分の身体と対話をする。そして自分ができることを試して、習慣にしていく。その大切さを教わりました。
日々、無意識の中で当たり前のようにしている呼吸ですが、だからこそ、それを少し意識するだけで毎日が変わるかもしれません。
椎名さんは不調が続いた日々を振り返ると、いまだにどうしても涙が出てしまうのだそう。そんな椎名さんが今、感情豊かにイキイキと語る姿そのものが、変化の証明であり、呼吸の可能性を感じずにはいられないなと感じました。
健やかな毎日を目指して、たしかに編集部も正しい姿勢と呼吸を続けてみようと思います……!
椎名さん、ありがとうございました!
Infomation
ZEN呼吸法
執筆:むらやまあき 取材・撮影:#たしかに編集部