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『笑わせ学』主宰・しばぴーさんに聞く、自分も相手も楽しく救うお笑い術とは

お笑いで人を助けたい

しばぴーさんたしかに

150では最後になりますが、しばぴーさんが今後、成し遂げたいこととはいったい何でしょうか。世界平和?

150いやほんまに「世界平和や!」って思ってます。僕、お笑いの力で救いたいという気持ちがあるんですよ。たとえば、会話でスベった人がおったら、それを拾って笑いにして助けたいし、何かミスをした人がいたらツッコミでその場を和ませたい。

150おお、ヒーローみたい。矢印が自分ではなく、他者に向いているんですね。

150TikTokの生配信をしていると、高校生から「スベった友達を助けたいんですけど何か方法ないですか?」という相談が結構来るんですよ。優しいヤツって結構いるんやけど、手段がわからないから、「お前スベっとるやんけ!」とか言っちゃって結局友達がかわいそうなことになっちゃったり。

そうならんように、高校生のノリでできて、かつあったかいコミュニケーションをつくれるような提案をしています。こんな風に、助けたい思いはあっても、まだ武器を持っていないヒーローたちに『笑わせ学』を通してノウハウを伝えていきたいなと。

150「スベった友達を助けたい」と思う高校生がいるなんて、この世も捨てたもんじゃないな……。笑いを通じたコミュニケーションで、人を助けられるヒーローを増やしていくということですね。

150そうですね。ちなみに僕もね、小さい頃から、下向いて俯いている子がおったら笑かしに行ってたんですよ。

150まさに少年漫画に出てきそうなめちゃいいヤツじゃないですか!

150自分にメリットがあるからとかじゃなくて、単純に暗い顔した子がクラスにおるのが嫌やったんですよね。今この仕事をやっているのも結局、その延長線のような気がする。単純に、自分には見えていないけれどどこかで俯いている人がいるっていうのが、気に入らんのでしょうな。

だから、いじめとか人間関係で悩んでいる人を助けたいという気持ちもある。この問題ってどの時代にもありますけど、状況が悪くなっている一方だなっていう気がするんですね。

150本当に混沌としていますよね。ただでさえコロナ禍で世の中全体にどんよりした空気が蔓延している今は、より深刻な問題に発展しかねないなと。

150そうですよね。今の若い世代は、LINEとかオンライン上でのコミュニケーションの取り方はすごい上手になったと思っているんですよ。でも、それと直接話すコミュニケーション能力とはまた別。

コロナ禍を経て、より人とのコミュニケーションにストレスを感じるケースが増えてくるんじゃないかなって。だからこそ、今後コミュニケーションについて扱う「お笑いの教科書」を作りたいんですよ。

150おお。

150たとえばその中に「『いじる』と『いじめ』の違いってなんなんだろう」という問いを入れて、学校の道徳の授業に導入してもらうとかね。お笑いがいじめや人間関係の悩みを解決できるという可能性を信じて、今一つの目標にしています。

150今、お笑いの業界のなかでも、時代の流れを汲んで今までの笑わせ方が疑問視されたり、見直されたりしていますもんね。ルックスいじりとか、女性蔑視になるような笑いとか。それも踏まえて、人を傷つけずに人間関係をポジティブに構築していくためのお笑いの教科書や授業ができたらとてもいいなあと思いました。

150ね。まだまだこれからですけど、どうやったら実現できるか、戦いやなと思ってます。

150:めちゃくちゃ応援してます。総じて、めちゃくちゃ前向きな気持ちにさせてもらいました。本日は本当にありがとうございました!

しばぴーさんたしかに

編集部のここが「#たしかに」

たくさん笑って、共感して、噛みしめて。
終わる頃にはとってもポジティブな気持ちにさせてもらった取材でした。

少しネガティブに捉えていた部分も、コミュニケーションの仕方を工夫すればポジティブなものに変わる。今の自分のキャラクターに合った方法をカスタマイズしていけばいい。

しばぴーさんが発信している笑いの技術は、思ったよりもずっと身近で、自分を肯定しながら日々を明るく照らすことができるお守りのようなものだと改めて感じました。

たくさんの人に会ってコミュニケーションを重ね、観察し、時にカウンセラーのように相手の悩みに向き合いながらネタを作ってきたしばぴーさんだからこそ、さまざまな人の気持ちを理解して、救いになるような「笑い」を生み出していけるのだろうなと思います。

気になった方はぜひ一度、『笑わせ学』の扉をたたいてみては? 今日より少し、明日が楽しくなるかもしれません。

しばぴーさん、ありがとうございました!

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取材・執筆:むらやまあき 編集:#たしかに編集部 撮影:Hatano mai

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