アートで町を復興。出会いがすべての始まり

――アートで復興、素敵ですね。どうして思いついたんでしょうか？

以前、オランダのアムステルダムで廃墟になった乗船場をアートの街に変えて観光地化させたという話を、実際に携わった方から教えていただき、双葉町でもできるかもしれないと思ったのです。それをいろんな所で話していたら、なんと『OVER ALLs』というアート集団の代表を務める赤澤社長と出会うことができたんです。情熱大陸に取り上げられるような方々なのですが、想いに共感いただいて、実はもうすでに双葉町の壁にアートを描いてもらう取り組みが始まっています。

―― ほんとだ！かっこいいですね。どんな意味が込められてるんでしょう？

「ここから、また始めて行こう」という想いを込めました。この想いのもと、来年、アートと音楽のイベントを企画しています。今年の3月に避難指示が解除されて、少しずつ人も戻っています。町は2022年を帰還目標にしているのですが、その前に、外に向かって町が動き出していることを発信したいのです。

――イベンターではない丈さんが、復興のためにイベントを企画し行動できるモチベーションはどこから来るのでしょうか？

たしかに、いち飲食業者の自分ができることには限界がありますが、燗酒を広めたいと思って動けば動くほど、双葉町を復興させるための出会いにつながるんですよね。僕が成し遂げられるかはわかりませんが、少なくともきっかけは作れると考えるようになりました。