「代わりが利くような仕事をしろ」と言われた新卒時代
ーーこんにちは。今日はタイからご登場いただきありがとうございます。そちらはどうですか?
日本と同じようにタイもコロナでいろいろと状況は変わっていますね。なくなった仕事もあれば新たな仕事の相談もあって変化が大きいです。新卒で電通に入ったときは「いつお前がいなくなっても代わりが利くよう再現性のある仕事をしろ」と言われていたので、その頃に比べると自分らしく過ごせているなとは思います。
ーー「代わりが利く」ってずいぶんハッキリ言うんですね……。
ですよね、そんなハッキリ言わなくてもと僕も当時は思ってました(笑)。
でもクライアントがあってこそのビジネスモデルだし、大きな会社でたくさんの人がかかわるので、仮に僕がいなくなって迷惑がかかってしまうのはいけないなぁと思い、仕事の進め方は極力シンプルにしたり、マニュアル化したりしていました。でもやっぱり自分のオリジナリティを出したいし、僕にしかできないことをやりたいと思うようになりますよね。
ーー電通ではどんなキャリアを歩もうと思っていたのですか?
当時は官公庁を担当する営業の部署にいたので、東京オリンピック・パラリンピック決定のパブリックビューイングのイベントにも関わっていたんです。なので、2020年までオリンピック関連の仕事をやり続けたいと思っていました。
でも、突然まったく関係ない部署に異動になったんです。今振り返ると非常にいい経験にはなったのですがワクワクしないし、このままじゃつまらないなぁと思って、ゲームコンテンツをつくるIT企業に転職しました。
ーーIT企業とは意外な転職先ですね。
IT企業ですが、サッカー関連のビジネスをやっていたのでそこのポジションの募集だったんです。正直最初はスポーツに関われるならアリだなって思ってた程度でした。でも、社長面接で「君、格闘技やってるならさ、応援しようと思ってる選手がいるからそっちやってよ」と言われて。なら是非!ということで、電通をやめて転職を決めました。