日本でやり切った! と思えたIT企業時代
ーー市川さんは学生時代から格闘技をやっているんですよね。
はい、強くなることに憧れて格闘技を始めて、学生時代はプロで活動してました。今も続けているんですが、まさかそれが自分の仕事になるチャンスが来るとは思っていませんでした。マネージャーだけど選手と一緒に練習したこともありました。
▲学生時代の市川さん ©️BUSHIDO BOXING
ーーそれは絶対に市川さんにしかできない仕事ですね。
たしかにそうですね(笑)。マネジメントする側・される側というビジネスの関係ではなく、一緒に汗を流すことで、腹を割って話せました。対外的にもイベントやメディアの仕事など電通での経験を活かせるシーンもありましたし、格闘家の気持ちがわかるからこそ非経験者だとできなんじゃないかと思う仕事も多かったですね。今でも関係者の方々とはよく連絡取っています。
ーーとてもやりがいがある仕事に思えるのですが、なぜそんな仕事を手放してタイへ?
TV番組の企画に携わったり、格闘技イベントを開催したり、ありとあらゆる仕事をかたちにしてきました。でも、2018年末に世界的なプロジェクトを実現できたときに「この仕事でこれ以上の大きな案件は当分ないだろうな」と思ったんです。もう日本ではやりきったと思ってしまって。
ーーすごい達成感があったんですね。
そうなんです。じゃあ次に自分がやりたいことって何だろうと思ったら、海外で暮らすことでした。国にこだわりはなかったのですが、自分がイメージできる場所がいいなと思い、学生時代にキックボクシングで修行したこともあるタイに決めました。
ビザの関係でまずは現地の企業に就職しないといけなかったので、タイのコンサル会社に入社し、イベント会社を経て、今は不動産会社に籍を置きながら新しいビジネスを立ち上げています。
ーー新しいビジネスとはどんなことをしているんですか?
例えば、日本とタイ企業の橋渡しだったり、格闘技の経験とタイという環境を掛け合わせて格闘技用品の開発をサポートしたり、アスリートにも使えるサプリメントの会社を立ち上げたりなど、これまで経験してこなかった分野の相談も多いですね。
▲世界的な格闘技用品メーカーとの打ち合わせにて