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「こんなご時世」だから街歩きをもっと満喫したい!『散歩の達人』に凝縮されたプロの知見

散歩には「宿題」を持っていく。

ーー散歩初心者におすすめの散歩やその手法を教えてください。

まずは、隣の駅まで歩いてみることですかね。それか、いつもは使わない駅に行ってみるのもおすすめですね。

ただ、いつもの道だとどうしてもモチベーションがあがらないという人もいるでしょう。それを補うために、「ご近所さんぽ」特集であげた15の方法の中から、ひとつテーマを選んで歩くのも良いですね。散歩の達人のバックナンバーって、本屋さんになくても交通新聞社のオンラインショップで買えるので、ぜひ。

特集のテーマでいうと、たとえば野草なら季節ごとに色や種類を変えて楽しめますし、これから寒くなれば見られる鳥の種類も多くなるので、野鳥の観察がより楽しめるようになります。

ーーひとつの視点からでも、季節ごとに見えるものが変わるんですね! ご近所さんぽの中では、15の方法の一つとして、夜中のご近所を歩く「ご近所闇」が紹介されていましたが、それから2ヶ月後に発売された8月号の企画は「朝を歩こう」でした。「散歩の達人」的に、おすすめは朝と夜どちらですか?

朝です!

ーー即答! その心は。

夜の散歩は朝や昼の日の光がある時とはまったく違う世界が見えてとても楽しいものです。わたしたちも大好きで、散歩の達人のWebメディア「さんたつ」では「闇で逢いましょう」という連載をしているぐらいなんですが、夜の街歩きはやっぱり危ないこともあるので、特に女性一人だとあまりおすすめはできません。連載をしている方は、本当に闇のプロの方ですから。

朝は、夏なら日中よりは涼しくて歩きやすいですし、人も少なく「密」になりにくい時間帯なので、静かで穏やかな散歩の時間を過ごすことができます。また、通勤のついでに散歩ができるのもおすすめする理由です。モーニングをやっている店があるのなら、いつもより少し早めに起きて散歩をしながらお店へ行き、朝食を食べてから仕事へ向かえます。朝さんぽの醍醐味のひとつです。

ーー通勤などのついでに、毎朝同じルートを散歩する、という話はよく聞きますが、毎朝同じルートでは飽きてしまいませんか?

同じところを歩いていても、前の日とはまず、天気や街路樹、野草の状態に多少なりとも違いが出ます。また、前日の出来事によっては、会社に行くのが憂鬱だったり、楽しみだったりと歩くときの気分も変わっています。そう考えると、同じルートでも意外と変わって見えるものってあるんじゃないでしょうか。

あと、散歩って、何も考えずに歩くことが実はあまりないんですよ。朝であれば、今日は何やろうかとか、昨日はどうだったとか、色々考えたり、発想をふくらませる時間になります。そうするとやっぱり、同じ道でも違う風に感じたりしますね。

ーーたしかに、歩くときって何かしら考えてますね。たとえば、ラジオを聞きながら歩くのはどうなんでしょうか。

それ、すごくいいらしいです。8月号の「朝を歩こう」特集の中で、脳内科医の加藤俊徳先生が、ラジオを聞きながら歩くのは、ラジオパーソナリティの言葉を自分なりに考えようと頭を使うのですごくいいと言っていました。

通勤などのルーティンでも、歩きながら見るものから刺激を受けたり、考えたりすることで、いい気分転換になっているんですよね。コロナ禍でリモートワークが増えたり、お出かけが減ってぜんぜん歩かなくなり、家の中とは違う景色を見て歩きながら色々と思考をめぐらす機会が減ることは、かなりのストレスになるようです。

加藤先生は、毎朝必ず散歩に行くようにしてると言っていました。1時間くらいの距離を必ず歩いて、その時にこれを考える、とあらかじめ決めておくそうです。

ーー散歩に宿題を持っていくのですね。それもまた、素敵な時間になりそうです。

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