地元もないがしろにせず、みんなが楽しい仕掛けづくりを
ーー未来さんが日々生きる中で、大事にしている考え方や価値観があったら教えてください。
「まずはやってみる」っていうことが、わたしの中で大きいかな。
大学で建築を勉強していた時からそうだったんです。こんなイメージの建物があったらいいなと思ったら、すぐに模型を作ってみるとか。実際になんかビジュアルとして見てみないと問題点にも気づけないから、とりあえずまずは形にしてみるっていうのを意識していて。
朝めしもとりあえずやってみようと始めたし、トライアルも始めることを宣言してルールは後から決めるみたいな。後々改善していけばいいんじゃないというスタンスは常に持っていますね。
ーーやってみてから考える。何事もそういった実験の積み重ねなんですね。
そうですね、実験が好きなのかもしれません。「やってみて続けられそうだったらやる」で全然問題ないと思っています。
あと、移住支援をする上で大事にしているのは、地元をないがしろにしないっていうことですね。
ーー地元をないがしろにしない。
今、合同会社ミサキステイルには5人いて、そのうち2人が移住者という構成になっています。地元の人と移住者が組んで移住支援をやってる例って、実はあまりないんですよ。移住した人たちがやっていることが多い中で、地元の人と移住者、その両方の気持ちが分かることがわたしたちの強みだと思っています。
ミサキステイルという名前も、滞在する「Stay」と、形式とか在り方の「Style」を掛け合わせて、「三浦の滞在のあり方を考えよう」という意味が込めているんです。短期滞在や観光客の人も、元々住んでいる人も含めて楽しめればいいよねと。
ーー移住者を優遇するのではなく、三崎に住む人みんなが幸せな状態を目指す、ということですね。
そうですね。三浦に住んでいる人の日常をどう楽しくできるかだと思います。トライアルキッチンも、いつもと違うお店ができることで、ちょっと非日常感があってワクワクするじゃないですか。地元もないがしろにしないで、一緒に楽しめる仕掛けをずっとしていきたいと思っていますね。
ー素敵です。最後に、未来さんの今後やっていきたいことを教えてください。
移住してきた人も含めて、今三浦には本当にいろんなスキルを持った人たちが集まってきていて。三浦市民だけでどこまでできるかっていうのをやってみたいんです。
空き家レスキューの活動にも少し通じるんだけど、三浦市にいる人だけで建物を作ったり直したり、そういうブランドをきちんと作ってやってみたいなと思っています。電気、水道、ガスも含めて全部三浦市の業者にするとか。
ーーおもしろそうですね! 本当に何でもできちゃいそう。
あとは、トライアルハウスはさらに増やしていきたいですね。今だと、トライアルステイとして使うならOKという建物しか管理できていないので、誰かにそのまま貸したりとか売ったりとかできないんです。
だからミサキステイルとしては、住んでみて気に入ればそのまま買うか借りる選択ができる物件を増やしたいですね。
ーーそうなれば、もっと移住が現実的なものになりそうですね。
朝めしは続けつつ、そういう物件を増やしてきちんと事業を成り立たせることが目標ですね。そしていずれは、三浦の町おこしや空き家問題の解決方法をもっと全国の地方にも展開できるようにしていきたいと思っています。
自分が楽しく暮らせるのがまず第一で、周りにいる人も笑顔になってくれる。さらにそれを見て、三浦を好きになってくれる人がたくさん増えたらうれしいですね!
編集部のここが「#たしかに」
少しでもやってみたいと思うなら、実際にやってみて続けられそうなら続ければいい。そんな、いい意味で肩の力が抜けた未来さんのスタンスに、たくさんの人が背中を押される理由がわかったような気がしました。
ご自身がロールモデルとなり、人の挑戦を後押ししながら地元のために奔走する姿はすごく生き生きとしていて、心から楽しんでやっていることが伝わってきます。
まずは自分が楽しく暮らすことで、身近なところから同心円状に笑顔を広げていく。そんな未来さんの活動をこれからも応援しつつ、自分の地元や生活の中でも生かせることをやっていきたいなと思いました。
未来さんありがとうございました!朝めし、またすぐに食べに行きたいです。
前編はこちら:
定食屋であり、三崎食材のプレゼンテーションの場でもある?「朝めしあるべ」の三方良しな定食の作り方って?
ミサキステイルのホームページ
https://misaki-stayle.com/
ミサキステイルのfacebook
https://www.facebook.com/MISAKISTAYLE/
取材・執筆:むらやまあき 編集・取材撮影:#たしかに編集部