カレーって実はヘルシーなんです。
――さっそくですが、福満堂さんのカレーは、油も小麦粉も使っていないとか。本当ですか?
最初から疑いの目は、やめてください(笑)。お肉をトッピングしていただいたら、もちろんそのお肉の油はありますが、いわゆる炒め油は使っていません。というか具材は炒めていないんです。
――えっ?驚きです。カレーといえば、まずは玉ねぎをしっかり炒めるのが基本だと思っていました。炒めないことがヘルシーの秘訣ですか?
カレーって本来ヘルシーなんですよ。例えば南インドで食べられているカレーは、ミールスといってとってもヘルシー。シャバシャバ系で野菜もたっぷりです。最近関西を中心に日本でも流行っているみたいです。
――そうなんですね。知らなかったです。
カレーがハイカロリーなイメージって、家庭だと、固形ルウを使うからだと思うんですね。あれは油が多いんです。
――たしかに。でも便利ですよね。それにスパイスって難しそうですし。
それは言えます。お店のカレーはスパイスを15種類使っていて、それは家庭ではなかなか難しいですよね。
―― 15種類!それはハードルが高いです。例えば、家で固形ルウを使わず、簡単に美味しくカレーを作る方法ってありますか?
そうですね。手軽にスパイスカレーを楽しむなら、まずはターメリック、コリアンダーそしてクミン、この3つを用意してもらうのがいいと思います。これでカレーの味はだいたい決まります。
――3つなら、なんとかできそう。具体的に作り方を教えてくれませんか?
お店のカレーは野菜を炒めていないのですが、家庭では、まずは玉ねぎをしっかり炒めてください。いわゆる飴色になるまで。これで簡単に深みが出ます。そこに生姜とニンニク、唐辛子、ヨーグルト、あればパクチーを。トマト缶を入れて先ほどのスパイス3種を投入。スパイスの量は1:1:1が基本ですが、お好みで調整してください。あとは、チキンなどを入れて塩で味を整えていただいたら完成です。シンプルなレシピですが、スパイスの魅力を知るには十分だと思います。ぜひ味わってもらいたいです。
――おー、なんだか簡単にできそうに思えてきました!
いつものカレーと全然違うと思いますよ。でも、スパイス沼にハマらないように、注意してくださいね!
▲スパイスがずらり。たしかに家庭で全部揃えるのは難しそうですが、3種類なら気軽にできそうですね。
――そういえば、福満堂さんのカレーは野菜もたっぷりなんですよね。
日本式のカレーといえば、やっぱりとろみ。スパイスカレーって、日本人が好むとろみが薄いんですよね。小麦粉を使わない代わりに、野菜でそのとろみを補おうと考えました。野菜をたっぷり入れて、ミキシングして滑らかにしています。うちに「15品目の揚げ野菜カリー」というメニューがあるのですが、こちらはルウの野菜と合わせて、大人が1日に必要な野菜の約2/3を摂取できるんです。
――野菜不足は気になるので、嬉しいですね。
お店では、美味しいだけでなく、一皿でしっかり栄養が取れるものを提供したいんです。自分が食べたいと思うものを。そして、毎日食べられるものを。だから、塩分も控えめにしてあるんですよ。
――塩分控え目は、健康が気になる大人は助かります。
人の味覚は、五味が大事と言われています。甘味、酸味、塩味、苦味、うま味。このバランスが味を決めるのですが、塩味を抑えた分、うちでは昆布と鰹節を足しています。いわゆるうま味ですね。
――カレーに昆布と鰹節ですか?それは面白いですね。でもたしかに、減塩は、出汁を工夫するって言いますね。これ企業秘密じゃなくて大丈夫ですか?
大丈夫です(笑)。ぜひご家庭のカレーにも役立ててください。
――ところで、小麦粉を使わない理由は…?まだまだうかがいたいことがたくさん!後編へ続く!
編集部のここが「#たしかに」
「カレーは好きだけど、カロリーが気になって」と我慢される方も多いですよね。でも、教えていただいたレシピならヘルシーに楽しめそうです。3種類のスパイスでよいなら、たしかに家でもできますね。実はとっておきの情報をもうひとつ教えていただきました。スパイスの老舗GABANの“手作りのカレー粉セット”です。20種類ものスパイスがセットになって、誰にでも本格的なスパイスカレーができると、三浦さん大絶賛でした。スパイス沼への道筋がうっすらと(笑)。三浦さん、ありがとうございました!
Curry福満堂のホームページ
https://fukumitsudo.jp
取材・執筆:松村聡子 編集:#たしかに編集部