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子育て、仕事etc.家族で移住ってむずかしい?カフェ『tigris』オーナー夫妻の理想の暮らしの探り方

それぞれがやりたい仕事を叶えられる、移住という選択。

――移住してからは順調だったんですか?

朝彦さん:町には地域おこし協力隊の実績がすでにあり、任期終了後も残る人が多かったんです。だから町の方の理解もあり「また新しい人が来たのね」と、すんなり受け入れてもらえました。

聡子さん:心配していた子育ても問題なく、保育園も無事入園できました。だけど知り合いが全くいないという不安はありましたね。夫には仕事を通じたコミュニティがあるけど、私にはなんのつながりもなく孤独感がありました。

――朝彦さんについてきたという部分で、葛藤があったんでしょうか?

聡子さん:「ついてきた」という気持ちではあったけど、結果的に仕事ができるようになったので、選択として間違ってなかったと思います。ライターの仕事は、東京時代のクライアントも継続していて、ときどき上京しています。

そんな時は夫が子どもの面倒をみてくれて、気持ちよく仕事に送り出してくれるんです。やりたい仕事をやれる環境を整えてくれる。田舎ときどき都会という生活が私には合っているのかもしれません。

――移住をきっかけに、お二人の関係性で変わったことはありますか?

朝彦さん:東京にいる時僕は会社員だったので、当時に比べると一緒にいる時間は増えましたね。コミュニケーションは密になっています。

聡子さん:『tigris』のオープン前に、夫は地域おこし協力隊をやめたんですね。保証された収入がなくなって、お互いフリーランスのように、必要な分は自分たちで稼ぐとなったら、運命共同体のような気持ちが強くなりました。

朝彦さん:たしかに、次に何がしたいか、何が欲しいかは、お互い相談しながら決めますね。常に話し合っています。

――次はどんな計画をお二人でしているんでしょうか?

朝彦さん:『tigris』には、カフェ、キッチン、フリースペースのほかに、敷地内に離れがあるんです。そのリノベーションを検討しています。具体的にはゲストハウスか、そこまでじゃないにしても、人が寝泊まりできる場所をつくりたい。

聡子さん:子どもが大きくなったら、子ども部屋にしてもいいかな、とか。カフェの2階が私たちの住居ですが、そこももう少し整えたいんです。具体的には床が薄くて(笑)。日曜日に子どもが2階にいると、カフェに足音が響いちゃうんですよね(笑)。

――あはは、でも近所のお年寄りは喜びそう(笑)。でも、なんでも二人で決めるっていいですね。

聡子さん:移住もカフェも、夫がやりたいことをメインに進めたので、完全にコミットできているかは正直自信がないですが、その都度話し合うことを大事にしています。

それに今では当初感じていた孤独感も無くなりました。カフェのオープンを境に、保育園のお母さんたちが来てくれるようになって、私も地域とのつながりを感じられるようになったんです。町の人たちも子どもを見守ってくれるので、地域全体で子育てを応援してもらっているような安心感は、都会にはない良さだと思います。

――たとえ意見が一致しなくても、話し合いで解決できるんですね。お二人の理想の暮らしとは?

朝彦さん:子どもに対して、僕らが好きなことに取り組む姿を見せ続けたいと思っています。お互いの夢を叶えられるように支え合いたい。それに子どもが成人するまでは、子どものライフスタイルを中心に考えていきたいです。喜茂別町には高校がないんです。札幌の高校へ行くのか、東京へ行くのか、もしかしたら海外の学校を希望するかもしれない。いつでもどこにでも、引っ越すくらいの身軽さは持ち続けたいですね。

――仕事に関しては、どうでしょうか?

聡子さん:ずっとライターとしてやってきたから、それ以外の仕事をする自分を想像できないのですが、場所が変わってもやっていける仕事ではありますね。今回移住して確信が持てました。ただ、子供が海外留学するって言った時に、ついていくという夫の選択には驚きましたけど(笑)。

朝彦さん:そういう機会でもなければ、海外には行けなそうだと思って(笑)。仕事に関しては、10年後の自分の働き方、生き方をイメージしながら考えるのが大事かなと。今は喜茂別町で町の課題解決に取り組んでいますが、同じような課題をどこの町も抱えていると思うんです。住む場所が変わっても、地域にとって大事なことや課題解決に関わっていきたいです。

編集部のここが「#たしかに」

朝彦さんの選択に「100%コミットしているわけではない」という聡子さん。夫婦といえど、意見が一致しないのは、なにも特別なことではないと思います。逆に完全に一致するほうが稀ではないでしょうか。たしかにお二人が言う通り「話し合うこと」で、着地点を探りお互いのやりたいことを後押しすることが大事なんですね。夢と、仕事と、子育てと、暮らしをバランスよく、心地良い暮らしを叶える喜茂別町への移住という選択。お二人の話を聞いて、たしかにありだなぁと感じました。朝彦さん、聡子さん、ありがとうございました!

加藤朝彦さん、聡子さん

COFFEE & SHARESPACE tigris
コーヒーアンドシェアスペース チグリス
住所:北海道虻田郡喜茂別町喜茂別76
営業時間:11:00〜17:00(月・木定休 ほか臨時休業あり ※現在ランチメニューの提供は行っていません)
電話番号:0136-55-5671
アクセス:札幌・新千歳空港より車で90分

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取材・執筆:松村聡子 編集:#たしかに編集部

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