温泉への入り口
福岡市博多区にある温泉施設「みなと温泉 波葉の湯」でアルバイトをはじめたのは20歳になる年。
動機を思いかえしてみると、もともと温泉が好きだったというよりも、「周りの友達がしないような、ちょっと変わったアルバイトをしてみたい!」という気持ちが強かったかもしれません。
なんとなく始めた温泉のアルバイト。ここが私の温泉愛の原点となりました。
当時私は大学生で、学業と居酒屋でのアルバイト、そして芸能のお仕事もスタートし、その両立に苦戦中。すでに一杯一杯なのに、それでもなぜかアルバイトを増やすという……。なんでもかんでもチャレンジしたい気持ちがある一方、身体の疲れはなかなか取れず、頻繁に体調を崩していました。
そんな疲弊しているなかで迎えた、温泉アルバイトの初日。波葉の湯は、従業員はいつでも無料で大浴場を利用できるのですが、バイト終わりに初めて温泉に入った日の感覚は今でも忘れません。
溜まっていた疲れとかモヤモヤがスーッと抜けていく。
「大きなお風呂に浸かるって、温泉に浸かるってこんなに気持ちがいいんだ……!」
その日からは出勤前と後、必ず温泉に入ることが温泉アルバイトでのルーティンになりました。
他にも施設ではいろんな新鮮な発見がありました。
私はフロントスタッフとして勤務していたので、お客さんと毎日顔を合わせていたのですが、常連のご年配の方々がいつも元気でお肌がぴかぴかしていたんです。
そういえば私自身も、温泉に入り始めてから肌ツヤも良いし、ほとんど風邪をひかなくなったような……。
これは間違いなく温泉の力だ!
そんな実感と感動が続き、いつの間にか温泉沼への扉を開いていました。