新たな目標は、「普通の人を面白くする」
今日はよろしくお願いします! まずは、最近のしばぴーさんの活動について教えていただけますか?
今は2つの活動をメインにやっていて、まずはネタ作家ですね。TwitterのDMや紹介経由で依頼をもらって、芸人さんのネタをつくる仕事です。今はピンでタレントをやっているフワ(フワちゃん)とのコンビを解散した2017年からやっていて、300組以上の芸人さんたちにネタを提供してきました。
もう4年以上になるんですね。以前、高円寺の喫茶店で芸人さんたちとネタの打ち合わせをしているしばぴーさんに、偶然出くわしましたよね(笑)。
あったね、懐かしい(笑)。そして、もうひとつが2019年から始めた『笑わせ学』という活動です。アイドルグループやYouTuber、タレントを目指す人、一般の人といったいろんな属性の方たちに、芸人が普段使っているお笑いの技術を言語化して、伝えています。
今回はその『笑わせ学』にフォーカスをしてお話を伺っていければと思うのですが、そもそもどんな経緯で始めたのでしょうか。
フワちゃんとのコンビ解散後、依頼を受けて芸人さんのネタを書くというのをずっと繰り返していたんですね。そんなある日、仕事は楽しいんだけど、自分の心になんか得体の知れない“喪失感”みたいなものがあると気づいたんです。その理由を考えたら「芸人として売れたい」という確固たる目標がなくなったのが原因でした。
もちろん芸人さんのネタを作るのは楽しいんやけど、それは生活するための仕事という部分がやっぱり大きいし、自分自身で何かに向かっているっていう感覚じゃなかった。それで自分探しを始めたんです。
具体的にはどんなことを?
自分はさらにお笑いを突き詰めるべきなのか、それとも別の才能を見つけて新しい道に進むべきなのか。それを知るために、コピーライターの阿部広太郎さんが主宰している『企画でメシを食っていく』という講座に通い始めました。そこでできた縁で、一般の人向けにコントの作り方を教える授業をやることになったんですよ。いざやってみたら、すごく好評で。
プロの芸人さんから教わる機会なんてなかなかないですし、面白そうですね。
ただし、満足度は高かったけれど「これをどう使ったらいいかわからんな」みたいな声もあったんですよね。そりゃあみんながみんな、お笑い芸人になりたいわけではないですからね。そう考えたときに、芸人が普段トークでやっている“当たり前”をもっと噛み砕いて分解して、普通の人をおもろくできたらめちゃくちゃよくない?と思って。
いいですね(笑)。「どうせだったら面白くなりたい!」という人もたくさんいるでしょうし。
そうそう。おもろい人がどんどん増えていったら、世の中がええ方向に向くかもしれんなと。
たしかに、世の中がちょっと明るくなりそう。そこから「普通の人を面白くする」というのがしばぴーさんの新たな目標になったわけですね。
はい。そこからお笑いの技術を言語化して、それを伝えていく準備を始めました。芸人ではない人の視点やコミュニケーションの悩みを知るために、一般の人向けに『お笑いコンサル』を開いたりもしましたね。
うわ~コンサル受けてみたかった! 評判はどうだったんですか?
好評でしたね。悩みを聞いている間は、ほぼカウンセラー状態でしたけど(笑)。お笑いの技術を解読して伝えていくと、「笑いがとれるようになりました」とか「助かりました!」みたいな声がどんどん増えていって、そうやって試行錯誤の末に辿り着いたのが今の『笑わせ学』なんです。
なるほど。『笑わせ学』のYoutubeチャンネルを拝見すると、「飲み会のトークでやってはいけないこと」や「無茶振りを言われたときのトーク術」など、日常的に使えるようなノウハウの動画がいっぱいあがっていますよね。
そうですね。YouTubeやTikTokでは特に「会話が上手くなりたい」とか「面白くなりたい」と思う人に向けた動画をあげたり、ライブ配信で視聴者の相談に乗ったりしています。おかげでいろいろな方に興味を持っていただけて、今では企業様のセミナーもさせてもらったりしています。