夢を追う人、育てる人
僕は、夢を追い求めるのが好きな人と、何かを育てることが好きな人、2種類の人がいると思っています。それは、何を大事にしたいか、という優先順位が違うだけ。
僕はどちらかというと夢を追い求めるタイプですが、そのかわり、場を作ったり、コミュニティを作ったり、丁寧に育んでいくことが致命的にできません(笑)。
人がいて、いろんな気持ちが渦巻いている場所を、丁寧にならして、良いコミュニティなり、組織なり、事業なりを作っている人もいる。そういう人は、日々何かが育っていく様を愛でるのが好きなんでしょうね。
僕は、そういう人の方が世の中には多いんじゃないかなと思います。そういう人は「育てる」幸せを突き詰めていった方がいいんですよ。
鳥に泳げって言っても困るし、魚に飛べって言っても困る。
どちらが良い・悪いではなく、どちらもいないと生態系が機能しなくなりますよね。夢を追う人・何かを育てる人も、鳥と魚の違いなんだと思うんです。
ーーなるほど。ただ、人としてのタイプが違うということですね。
そう。だから、ある程度大人になっても好きなものが見つからない人は、自分には夢を追い求めることよりも大事にしたいことがあるんだ、と考えを切り替えるのがいいですよ。ずっと悩んで漂流し続けるよりも、なにか愛着を持っているものを育てていって、その過程を楽しんでみたらいいんじゃないかな。
ーー無理して「好きを仕事に」を目指す必要はないんだ、と思うと少し気が楽になりました。まずは、自分が愛着をもっているものを見直してみようと思います。
今日お話ししたことは、あくまで今の僕なりの考えです。どの考えが正解かなんて、誰にもわからないですから。それぞれが自分に必要な戦略を模索していくしかないんじゃないかな、と思いますね。
編集部のここが「#たしかに」
これまで、「好きを仕事にって羨ましい!どうしたらそうなれるんだろう?」と闇雲に悩んでいた気がします。今回うかがった、好きを仕事にするための具体的な戦略も、好きなものが見つからない人の考え方も、そういう凝り固まっていた考えを「たしかになあ」とほぐしてくれるものでした。小倉ヒラクさん、ありがとうございました!
小倉ヒラクさんの自己紹介サイト|https://hirakuogura.com/about-me/
取材・執筆:西山桜 編集:#たしかに編集部