個人の思いが価値観のアップデートにつながる
他にも、「クロスシンク」からは色々な企画が生まれているんですよね。
そうなんです。日本の祭りを応援するサイト「祭エンジン」を運営したり、使わなくなったコスメを色材に変身させる「COLOR Again」の取り組みを行っています。
どちらもメンバー一人ひとりの思いから立ち上がったもので、外の企業とコラボする機会も頂いて、どんどん規模が大きくなってきています。
「祭エンジン」のサイトを見ると、とてもお祭りに行きたくなります…..!
FICCの京都メンバーがお祭りが大好きで、一般社団法人明日襷(アシタスキ)の代表の方の「全国的に減少している日本全国のお祭りを守りたい!」という思いに共感したところから、このプロジェクトが始まりました。
サイトでは全国各地の名産品を購入することができ、その売り上げの一部が神社など祭の運営元に寄付される仕組みになっています。
美味しい物を食べて、地域を応援できるんですね!
はい。サイトではお祭りに関わる全国の人々にも取材をしており、その土地ならではの文化の紹介もしています。
自分たちの貢献できる範囲が東京だけではなく、地方にも何かできることがたくさんあると思ったので、「祭エンジン」が全国の地方創生にも繋がっていったらいいですね。
続いて、企業や自宅に眠っているコスメを使ったプロジェクト「COLOR Again」について伺っていけたらと思います。こちらは何がきっかけで始まったんでしょうか?
女性メンバーのひとりが社内で化粧品関係の仕事をしていく中で、「もしかしたら、家庭や社会の中で使い切れず捨てられてしまうコスメは膨大にあるのではないか?」という素朴な疑問を抱き、何かできないかと考えていたんです。
その時ちょうど、コスメを色材に変える商品を開発をされている株式会社モーンガータさんと繋がることができ、そこで初めてコスメのアップサイクルについても知ったんですよ。
コスメを色材に変える!? なんだか魔法みたいで素敵です。
「単に捨てるのがもったいない」とコスメを有効活用するだけではなく、生活者の価値観をアップデートするきっかけに繋がる活動をしていくことも大切だと思ったそうです。
元々コスメって自己表現のひとつでもありますよね。そういった意味でも「コスメの可能性と人の可能性も広げる活動で、人が少しでも心地よく生きられる社会を作っていきたいね」って話していました。
消費者の意識だけではなく、人の気持ちをアップデートすることを軸に置いたんですね。
はい。実際にトータル美容スクール「SHEbeauty」さんとコラボして、使わなくなったコスメや香水と、モーンガータさんが開発された「MagicWater」を混ぜて作った絵の具で絵を描いてもらいました。
その後、「どんな気持ちでその絵を描いたのですか?」などの参加者同士で発表するワークショップも行い、参加者同士が想いをシェアして盛り上がったようです!
プラスチックや使わなくなったコスメなどSDGsへの取り組みを行っていますが、企業がSDGsへ参加する時の立ち位置ってすごく難しいと思うんです。それについてはどう思いますか?
SDGsが流行だからやるんじゃなくて、企業が「なぜそれをやるのか」はすごく慎重に考えていくべきだと思います。そこが整理できていないと消費者の方から見てビジネスに結びつかないアクションに捉えられてしまったり、取り組みの意図が届きにくくなってしまうんですよね。
なるほど。
企業の意図や想いがきちんと伝われば、その企業のSDGsの取り組みも自分ごと化しやすくなりますよね。環境問題を個人の目線で考え始めると、大きなテーマすぎてどうしたらいいのか分からない人も多いと思うんですけど、最初の一歩は「当たり前の状況に疑問を持つこと」からじゃないかなって思います。
それぞれのプロジェクトがそのきっかけになってくれたら嬉しいですね。