「いまだにドッキリだと思ってます(笑)」意外すぎたMV出演のオファー
クロちゃんは今回、どのような思いでMV出演に至ったのでしょうか。
思いも何も、いまだに実はドッキリなんじゃないかと思っています(笑)。MVにボーカルとして出演する機会なんて、まずないですから。もともと僕はアイドル歌手の志望で事務所に入ったんですが、騙されて芸人になったんです。だから歌えるお仕事をいただけたことは、とても嬉しいですね。
今回の楽曲は、アイドルっぽさや芸人っぽさがなく、メッセージ色が強い歌詞になっています。想定していたイメージとギャップはありましたか。
世の中に訴えかけるような曲だったので、フワフワした感じではやれないなと思いました(笑)。歌詞は普段から自分が考えている内容だったので、「逆に僕が歌うと伝わりづらいのでは?」という戸惑いもありました。“クロちゃん”が出ることで、ふざけた感じに捉えられ、本来伝えたいこととズレてしまったらどうしよう……。そんなプレッシャーです。
僕もプロジェクトのお話をいただいた当初は、芸人であるクロちゃんが歌うのだから、てっきり“面白くするもの”だと思っていたのですが…実際にスタッフの方々と打ち合わせを進めていくと、笑いに走ったりするのではなく、本気で多様な価値観の大切さというメッセージを伝えようとする熱意を感じました。だったら楽器を担う僕たちも、真摯にチャレンジしなければならない。7ORDERも、周りに流されずに歩むことを大切にしているので、クロちゃんの姿勢にリスペクトを込めて、完全にミュージシャンモードで臨んだんです。
僕もクロちゃんはどうしてもテレビのイメージが強かったので、最初はドッキリへの協力かなと思いました(笑)。でも顔合わせの時、現場の雰囲気を見ていると、皆さんの情熱を感じて「これはドッキリじゃないな」と気づきました。テレビのイメージとは全然違って、撮影時のクロちゃんはとにかく全力。喉が枯れそうになるほどリハーサルでも100%を出していて、かっこいいなと思いました。
7ORDERのみんなを押し退けてセンターに立つことには、申し訳なさもあったんです。ボイトレにも通ったんですが、表現の技術を学ぶことができて、貴重な経験になりました。ここまで全力で自分を剥き出しにしてお仕事をしたのは初めてかもしれないです。