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化粧品メーカーと考えるルッキズムの問題 ポーラ幸せ研究所が追求する、“幸福な美”のあるべき姿

“美”と“幸せ”が関係し合う、プロセスという交差点

たしかに編集部美容と幸せの関係については、どのようなことがわかってきているのでしょうか?

武智さん例えば、日々何気なく行なっている美容ルーティンと幸福度の関係性を調査したところ、男女ともに美容ルーティンがある人は、ない人に比べて幸福度が高いことが判明しました。さらに、ルーティンの取り組み方に特徴があることもわかっています。スキンケアというと「やらないといけない義務」と捉える方も少なくないと思うのですが、プロセスによって幸せになる方法があるということです。

たしかに編集部プロセスによって幸せになる……。具体的にはどのような方法なのでしょうか。

武智さん私たちは研究結果から、美容のプロセスが幸せにつながる「美容ルーティン5か条」を導き出しています。「『なりたくない状態』よりも『なりたい状態』を意識する」「結果よりもプロセスを重視する」「自分にあった、続けられる簡単なルーティンをたくさんもつ」「手のぬくもりを感じる」「ルーティンを通じて自分の状態・気持ちに気づく」です。ポーラではこれらをもとに美容法、マインドフルなスキンケアを考案し、ワークショップやオンライン動画などで、幅広い皆さまに共有しています。

たしかに編集部「手持ちのアイテムを使う順番に机に並べる」「手のぬくもりを肌に伝える」など、過程を重視している点がユニークですね。

武智さん「こうしたら良い」「これはNG」という結果ではなく、スキンケアをしている時間の安心感や満足感を重視しています。また、全てを完璧に行う必要がないという前提も大切です。実践された方の反響は非常に良く、「せっかく毎日行うならば楽しみたい」といった声が多いこともわかりました。

たしかに編集部一連の活動からは、美しさと幸せの関係性が見えてきそうです。美しさとは一体、何なのでしょうか。

武智さん美しさは見た目だけではなく、中身を含めた自分の可能性を広げ続けることだと考えています。スキンケアやメイクは、自分に自信を持ち、一歩前に踏み出すことを応援してくれます。少しずつ人生を豊かにするところに、幸せとの相関関係があるのではないでしょうか。

たしかに編集部一方で、スキンケアなどはアンチエイジングのために行う人も多いはずです。加齢については、どう捉えていますか。

武智さんポーラには「B.A」というエイジングケアのブランドがあり、「AGEBILITY(エイジビリティ)」という考え方を提唱しています。「Age(年齢)」と「Ability(能力)」による造語なのですが、そこに込めた思いは、「すべての経験を未来の可能性に変える能力」です。つまり、年齢を重ねることに対するネガティブなイメージを払拭し、むしろ経験や時間が人をますます輝かせるような世界をつくりたい。人は何歳からでも挑戦できるはずだからです。「AGEBILITY」は一例ですが、ポーラの商品やサービスは基本的に、美しさで“ナンバーワン”になることを目指していません。人生を豊かにすることを念頭に設計しております。

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