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空き瓶に1輪挿すだけでいい。フロリスト前田研史さんがつくりたい花が身近にある暮らし

マイスターとして日本でできることとは

——ドイツには何年いらっしゃったんですか?

約4年ですね。マイスターを取得して帰国した後は、別のお花の会社に就職しました。

——独立ではなく、就職を選んだのは理由があったんですか?

日本の花業界は感覚で教える人が多いんです。僕も新卒当初は先輩によって言うことが違って混乱したことがありましたから。ドイツではフローリストを育てるという視点でも学んでいたので、花に関するスキルをきちんと言語化できればと思い、全国に店舗を展開する会社に就職してみようと思ったんです。会社では教育部門にもいました。

——ドイツでの経験をしっかり活かしていたんですね。

ドイツではちょっとした時にお花を贈ったりもらったりすることが当たり前でしたが、日本で花が登場するのは、お祝いのシーンやイベントが中心。もう少し日常の暮らしのなかに花があればいいのになと感じていました。

マイスターとして自分には何ができるんだろうと考え続けていたときに、自分がドイツ暮らしで感じた心のゆとりみたいなものを、花を通して生み出せたらなと思ったんです。帰国して勤めた会社を3年で退職し、2020年はじめに「yohaku」を立ち上げました。

——「yohaku」は先ほどの話にあったドイツで感じた「余白」が由来なんですか?

そうですね。「yohaku」には「花の魅力を引き出せるような余白のあるものづくりがしたい」という意味を込めていますが、もう一つ「夜は来(る)」という意味もあるんです。夜が来る前の夕暮れ時は、1日が終わろうとするほっとした時間。どんなに忙しくて大変だった日でも「夜は来る」と思えると、肩の力を抜いて心に余白を生むことができるんじゃないかと思っています。

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