銭湯バイトを3つ掛け持ち、小杉湯へ
ーー今、みずきさんは学生生活を送りながら様々な活動をしていると思いますが、どんなことをやっているのか教えてもらえますか?
3月まで半年間休学していたのですが、今は通信制に転科して学生をやりつつ、普段は高円寺にある「小杉湯」や「小杉湯となり」という会員制のスペースで週に4回シフトに入って働いています。
シフトがない日でも、小杉湯に来れば誰かしらいて楽しいのでほぼ毎日ここにいますね(笑)。
ーー小杉湯というと今や大人気の銭湯ですが、働くことになったきっかけは?
きっかけは、三代目の佑介さん(「小杉湯」三代目・平松佑介さん)からもらったTwitterのDMです。
実はわたし、他の銭湯で3つ掛け持ちでアルバイトしていたんですね。当時Twitterで小杉湯が深夜清掃スタッフを募集しているツイートを見て「うわ、いいなー」と思って引用リツイートしたら、佑介さんがDMを下さって。
ーーすごい。そもそも銭湯のアルバイトを3つ掛け持ちしているのがすごい(笑)。
すでに別の銭湯で深夜清掃スタッフをしているし、小杉湯は面白そうだけど働けないなと思っていたら、佑介さんが面白がって「一回会ってみようよ」と言ってくれたんです。
そこで「営業中のスタッフも募集しようと思ってるから、よかったら働かない?」とお誘いいただいたので「働きます!」とその場でお伝えしたところ、すでにわたしの名前が入ったシフトを渡されました(笑)。
ーーめちゃくちゃ粋ですね……。銭湯のアルバイトを掛け持つほど、銭湯にハマったのはなぜだったのでしょうか。
大学受験期に、初めて一人で銭湯に行ったのが最初のきっかけですね。勉強ばかりの日々が嫌で、とはいえ高校生だからお金もないし、友達とも遊べない。そんな中でふと、小さい頃に友達が家に泊まりに来るとみんなで銭湯に行っていたことを思い出したんです。
近所の銭湯に行って、頭洗ったり、お湯につかったり、ぼーっと将来のことを考えたりして。何かが解決したわけじゃないけれど、銭湯を出た時に気持ちがすっきりする感覚がすごくよかったんですよね。それからいろんな銭湯に行くようになって、次は銭湯の中の人になりたいと思うようになりました。
ーー中の人になりたいというのはどんな感覚だったのでしょう?
純粋に興味が湧いたんです。番台で受付をするってドラマでしか見たことないし、普通のお店よりもかっこよく見えていいなって。「職場体験してみたい」というノリでしたね(笑)。
ーーたしかにちょっと憧れます(笑)。小杉湯で働きながら大学生活を送っていたということですが、昨年休学を決めた理由を教えてください。
昨年、新型コロナウイルスの影響で授業も全部オンラインに切り替わって、前向きに授業を受ける気持ちになれないでいました。
ちょうどその頃、シェアスペースの「小杉湯となり」が完成して、PCで授業を受けるよりも面白そうなことが目の前にあるという状況だったんです。湯がなくても銭湯のようにアットホームな関係性を築ける場所で、もっとがっつり働きたいという気持ちがあったので、休学することに決めた……というのが表向きの理由で(笑)。
ーー実は……?
わたしの学校、結構厳しくて1~2学期を通して3単位しか落とせないのでぎりぎり頑張っていたんですけど、わたしのカウントミスで留年が決まってしまって……。このまま後期の授業を受けても4年生に上がれないとわかったので、このタイミングで休学しようって(笑)。
ーーそうだったんですね(笑)。でも、ある意味良いタイミングだったのかも。
そうですね、すごくよかったと思います。あ、もちろん最初の理由も本当ですよ!(笑)
▲お風呂用のイスに座らせてもらいました。