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‘好き’に染まり、新たな自分に出会う。モデル・イシヅカユウさんの自信の鍵とは

昔から人前に出ることは苦手だった

ーーイシヅカさんはファッションモデルを軸に活動されていますよね。そもそも始めたきっかけってなんだったのでしょうか?

10代後半の頃、地元のファッション専門学校に通っていたのですが、家族の都合でやめることになって。それからはアルバイトを中心にした生活をしていたのですが、美容学生の同級生からの誘いでサロンモデルをやったのが始まりです。

それから、東京に遊びに来ていた時にファッションブランド「​writtenafterwards​」のショーを見て、唐突に「私も参加してみたい!」と思ったんです。ちょうどその時、2013年に国立新美術館で展覧会『絶命展〜ファッションの秘境』でモデルの募集をしていたので、「服の仕事がしたい!」と意気込んで応募し、ショーを歩いたのが初めての大きなモデルの仕事でした。

ーー「服の仕事がしたい!」と思ってからすぐに行動に移したんですね!

実は昔から人前に出るのは苦手な性格だったんです。小学校の時の学芸会で、主役級の扱いだった「うさぎのカップル役」があって、発表会当日その一人が欠席して、急遽私がカップルの男の子役をやることになってしまい、「僕」という台詞を喋らなければいけないことがとても嫌でした。それから人前に出ることに対してすごく消極的になっていったんです。

イシヅカユウ

ーーモデルや俳優の方って、昔から人前に出るのが得意な方だと思っていたので、意外な答えです。

私は自分に「普段から自信がある・ない」で答えると基本的に「ない」人間です。でも、いつでも自信満々人はそうそういないし、人って自信がない状態が普通なんじゃないでしょうか。でも大人になった今、自分なりの対処方法は作っています。例えば好きな人にフラれたりして、自信が0になった時は、わざと傘をささずに雨の中でドラマチックに泣いたりします(笑)。 映画の主人公になった自分を想像して、自信を持たせて人生を乗り越えるんですよ。

今回の映画の撮影の時はもう毎日が必死で、「自信がない」なんて思う暇がなかったんですけど、仕事で緊張する時や勝負に挑みたい時は音楽を聴きます。不安な気持ちを振り払うように現場では音楽を聴いて力をもらうんです。

イシヅカユウ

ーーわざと悲劇的に振る舞うんですね(笑)。イシヅカさんがセレクトしたSpotifyプレイリスト『YU’s “CHAOS LOVE” SPACE』を見ると、色んな音楽のジャンルに詳しそうな印象を受けます。どういった形で知識を蓄えていってるのでしょうか?

人から勧められるものより、自分でお気に入りを見つける方が多いですね。
色んなものを吸収したいインプット期間が来るので、そんな時に前から気になっていた音楽や映画をどんどん吸収します。例えばショックなことがあって「それ以外のことを考えたい!」と思う時にも。

それに、モデルの仕事は引き出しの中身が多ければ多いほど良いんです。ファッションデザイナーが作る服って、「この文化に影響を受けて」とか、「これが好きで今季はこんなデザインにしました」というような背景が必ずあるので、モデルはそれを表現できることが大切です。芸術作品を見たり読んだりするだけではダメで、自分の中で作品をきちんと理解し、消化しないといけないと思います。

イシヅカユウ たしかに

ーーちなみに憧れの女優の若尾文子さんが出ている作品ではどれが好きですか?

『しとやかな獣(1962)』が大好きです。これは2020年にアカデミー賞作品賞を受賞した映画『パラサイト(2019)』の監督にも影響を与えていると言われています。最近、若尾さんの主演映画のひとつ『閉店時間(1962)』を見たんですが、同じデパートで働く仲良し三人組の女性を中心に仕事や結婚など、働く女性に共通の問題を描かれていて、今見てもフェミニズム的な視点から捉えれる映画だと思いました。オススメですよ。

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