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AI×教育はどうなるの?記憶を日常にすることで、教育の当たり前の水準を上げたい。解いて憶える記憶アプリ『Monoxer』を展開する竹内さんに聞く、人生における勉強の意義

記憶を日常にすることで、教育の当たり前の水準を上げたい

たしかに編集部大学卒業後は、リクルートに就職し『スタディサプリ』の開発にも携わっていたと伺いました。

竹内さんはい。やはり心のどこかで「教育格差の是正を通じて世界を平和にしたい」という気持ちはずっとあって。会社で働く傍ら、自分も使いたいと思える教育サービスを作ってみようと、英単語帳のアプリを考案したんです。

竹内さん本屋さんに行ってみると「TOEIC800・900」という参考書はたくさん並んでいるけど、それができるようになると何がいいのか?使いたいかと言われると、いまいちピンとこない。でも自分の仕事やキャリアに置き換えて考えたときに「インドネシア駐在で非ネイティブ同士で話すときに必要な単語500」「ヨーロッパ駐在1年目でビジネスシーンにおいて役立つ単語1000」のように、より活用法が具体的な単語帳があれば、欲しい!と思えるよなぁと。そこで自分なりにプログラミングを勉強して「世界中の単語を集めて学習できるサービス」を作ろうと思いつきました。

たしかに編集部いよいよ夢に向かって具体的に行動に移し始めたのですね!

竹内さんでも肝心のプログラミングのことがわからなくて、全然うまくいきませんでした(笑)。そこで高校の同級生でその後モノグサの共同創業者になる畔柳に「こういうのが作りたんだけど、プログラミング教えて!」と助けを求めたんです。彼はとても優秀なプログラマーで、かつビジネスセンスもある。彼は単純な疑問として「そもそも、こんなにたくさん書店に参考書があるのに決定版が出ていない現状を見ると、課題の本質はコンテンツ内容ではなく『覚えることそのもの』なのではないか」と投げかけてくれたんです。

たしかに編集部鋭い視点ですね!

竹内さんそうなんです。そこで僕たちは、同じ授業を受けているはずなのに、生徒によって結果に差が出るのはなぜか。授業で「わかった」ことを「できる」に変える力、つまり「記憶定着」がその差を生んでいるのではないか?と考えました。そしてその場合、「理解」ではなく「定着」に特化した新しい教育ツールが必要になる、と。

たしかに編集部なるほど。

竹内さんそうした考えのもと、一人ひとりにちょうどよいレベルの問題を、 ちょうどよいタイミングで、ちょうどよい量だけ出題してくれる、解いて憶える記憶アプリ『Monoxer』を開発したのです。

たしかに編集部モノグサ株式会社が誕生した背景には、そのような経緯があったのですね。

竹内さん畔柳に「ちょっと助けて!」と声をかけてから約4年間、毎週彼に会って相談をしていました。彼はGoogleに勤めていたのですが、僕からの「一緒にやろう!」というアプローチを受け退職し、一緒に会社を立ち上げてくれました。最高の友達であり、共同創業者です。

たしかに編集部素敵な関係性ですね!

たしかに編集部ちなみに、ミッションを「記憶を日常に。」と掲げたのにはどのような想いが込められているのでしょうか。

竹内さん事業を考える中でもっとも重要なのは「教育の当たり前の水準を上げること」なのではないかと思ったからです。例えば、今の小学6年生はひらがなの読み書きができて当たり前ですよね。

たしかに編集部はい。

竹内さんでも江戸時代まで遡ると、子どもが読み書きできることは、当たり前じゃなかったと思うんですよ。現代は義務教育が行き渡っていて、紙や鉛筆も気軽に購入できて、勉強をしようと思えば誰でもできる環境になっている。それゆえに「教育の当たり前の水準」も上がった。モノグサがやりたいことって、それに近いなと思うんです。

たしかに編集部なるほど。

竹内さん記憶する「当たり前の量」が増えれば増えるほど、世界の見え方が変わったり、自己実現ができたり、一人ひとりの人生の選択肢は広がっていく。だからこそ、もっと言うと「呼吸をするのと同じくらい、人々にとって記憶を当たり前な行為にしたい」と思っています。

たしかに編集部呼吸をするのと同じくらい……ですか!

竹内さん例えばオンラインショップで購入ボタンを押すときって、購入した商品が手元に届くところまで確信していますよね。途中で紛失されたり行方不明になることはなく、指定した日にちに当たり前に届くと。

たしかに編集部はい。

竹内さん記憶も同様の感覚にまで持っていきたいんです。『Monoxer』を使って「6年間で医者になりたい」と設定し、学習計画機能に沿って学習していけば、6年後には必ず医者になれる。勉強を始めるときに、できるかどうかわからない……。ではなく、『Monoxer』を使えば、できるようになると確信している。それくらい誰にとっても記憶を日常に。していければと思っています。

たしかに編集部「記憶」の可能性を感じる考え方ですね!

竹内さん教育の当たり前の水準が上がれば、人の可能性はもっと広がります。

「医者になりたいけど、私なんてなれるはずない」
「勉強ができない僕には、弁護士は向いていない」
「志望校には入れないからレベルを落とそう」

そうやって自分の可能性を狭めてしまうことが何よりもったいないと思うんです。やりたくないことは、やらなくていい。でも、できないと決めつけて諦めるのは違うなと。

たしかに編集部勉強は個人のやる気やモチベーションに左右されがちだからこそ、とても響く言葉です……。

竹内さん決められた内容を覚えさえすればいいのだから、記憶は才能ではありません。呼吸と同じように、誰にでもできます。そうして『Monoxer』が一人ひとりの当たり前の水準を上げて、自己実現に導けたら、こんなに嬉しいことはないなと思いますね。

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