仕事の楽しさは、自分で作る。
――これから実現したいことはありますか?
コロナの影響で実店舗にお客さんが来なくなって、いろいろ考えたんです。それまではアメ横は人が来るのが当たり前で、甘えていた部分もありました。最初はお客さんが来なくても、むしろ来ない方が安心できて良かったんです。接客する従業員の安全確保もありますし。
でもお客さんが来ない期間が長くなってこのままじゃだめだよねって、従業員も色々とアイデアを出してくれるようになった。既存のお客さんを大切にしようとか、どんなサービスが喜んでもらえるか、とか。挑戦する気持ちが生まれたのは嬉しかったです。
僕自身は時間ができたことで、商品開発に注力できました。なんとなく作った商品って売れないんです。自分たちの強みを活かした、メッセージ性のあるものを作り続けることが大事と改めて気づくことができました。
――なるほど。強みを活かして仕事をしていく大切さ、ですね。
強みを活かせば力になるし、仕事も楽しめると思うんです。結局仕事を楽しくするのは、自分しかいないんですよね。小さい仕事なので、それが実行できるのはありがたいと思っています。今後はさらに商品開発に力を入れられるよう、小さいですが自社工場を計画しています。ラボって言った方がいいかな。
――それは大きな挑戦ですね。
製造ラインは現在外部の職人さんにお願いしていますが、最低ロットが100kgと単位が大きいんです。固定商品は問題ないのですが、例えばヤッホーブルーイングさんの時みたいな商品開発で、100kgとなると挑戦へのハードルが高くなるんですよね。でも自分でやれるようになれば、もっとフットワーク軽く面白いことに挑戦できると思うんです。
――たしかに100kgだと、気軽にはトライできませんね。
コラボやOEMのお声がけが多いと言っても、ナッツの種類を変えたり、珍しいドライフルーツを合わせたり、配合を変える商品がほとんど。でもそれはもうやりきった感があって、次のもっと面白い提案をしたいんです。
――ラボはどちらを予定しているのですか?
上野です。やっぱり育ってきた街なので、実質本位なところが好きなんですよね。それに専門店が専門店らしくあれる街だと思うから。それがいちばん、肌にあっている気がしますね。
▲美味しさにこだわる小島屋のナッツは炒りが強いそう。店頭には特別に設えた炒り機があり、その場で炒りたてを購入できる
編集部のここが「#たしかに」
「仕事を楽しくするのは自分」という小島さん。小売業という枠を超えたさまざまな取り組みは、その想いを体現する行動だったと納得です。たしかに、働き方のスタイルや仕事の枠はもっと自由でいいですよね。代々受け継がれる家業であっても、自分らしさを追求できるんだと、お話を聞き感じました。「強みを活かして自分らしいスタイルで」私ももっと楽しみたいと思いました。小島さん、ありがとうございました!
上野アメ横小島屋のホームページ
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TEL:03-3831-0091
営業時間:10:00-18:30
※2021年1月29日 現在10:30-18:00に短縮営業中
取材・執筆:松村聡子 編集:#たしかに編集部