時間が育む心地よさ。リノベーションでカフェを開業。
――先日はカフェから地域を元気にするお話、とても興味深かったです。今回は店舗づくりのこと、お二人の移住についてうかがいたいです。よろしくお願いします。
朝彦さん:カフェ『tigris』の建物は、もとはクリーニング店兼住居だったんです。地域おこし協力隊として活動していく中で、「ゆくゆくは場づくりがしたい」と事あるごとに話していたら、この建物を取り壊すという話を聞いた知り合いが、「加藤がやりたいことを、できそうな場所があるよ」と紹介してくれたんです。
――やっぱり、やりたいことは声に出して発信するのがいいんですね!
聡子さん:ひとりで住んでいた持ち主の方が、札幌に住む家族のところへ行くことになって。築50年の建物を壊して更地にする計画だったんです。
朝彦さん:2人でここを見た時ひと目で気に入り、壊さないでとお願いし、そのまま譲っていただきました。
――リノベーションは、ご自身でされたとか?
朝彦さん:大工仕事ができる友人たちに手伝ってもらいながら作りました。移住してからのご縁で、知り合えた方々です。たくさんの人が力を貸してくれました。
――雰囲気がとても素敵です。リノベーションって最近注目されていますよね。
朝彦さん:この場所に50年建ち続けたアイデンティティを大切にしたくて、内装も解体した時に出た廃材や当時の建具を再利用しました。
聡子さん:やっぱり新築には出せない味がありますね。コストが抑えられるのも魅力でした。
――時間が作ってきた心地よさもあるような気がします。ところで、移住に至った経緯も教えてください。どちらの希望で、移住を決めたんでしょう?
朝彦さん:僕です。地域おこし協力隊に応募し、家族でこの町にやって来ました。
▲リノベーションの様子。カフェ2階の居住スペースの床に、自ら床材を1枚1枚張る朝彦さん