変わり続けていると、みんなに楽しんでもらえる
ーー多様な視点から作品作りに向き合っている加藤さんですが、「演じること」に対する意識は年々変化していくのでしょうか?
子役時代は共演するみんなと遊ぶ中に仕事がある感覚でした。でも歳を重ねるにごとに舞台でお客さんのレスポンスを感じたり、出演した舞台や番組のコメントをSNSでチェックしてみると、お客さんが喜んでくれるってことが大切になってきて。お客さんのためにやらないといけない、「仕事なんだ」と強く感じるようになりました。
ーー年齢と共に使命感を持って取り組むようになったんですね。大切にしている感覚も変わりましたか?
お芝居って「仕事」な一方、「おままごと」の感覚に近いと思っていて。「自分は俳優だから演じないと!」というある意味受動的な考えになってしまうと、価値観が凝り固まったただ真面目なお芝居になってしまいます。友達にサプライズする時ってみんなお芝居をするように振舞うでしょう?誰かをワクワクさせる、驚かす時みたいな「遊び心」をすごく大切にしています。
おままごと言えば、実は僕、大学に受かってなかったら保育士になっていたんじゃないかなって思うんですよ。
ーー保育士ですか!想像してみると、とても似合いますね(笑)
高校も音楽科で、ピアノもやっていたし、親戚の子ども達と遊ぶのも好きなので、大学受験の時に、母に「保育士」の道も勧められていたんですよ。もし大学に受かっていなかったら僕は保育士になっていたんじゃないかなと思います。エンタメの世界じゃなくて、子ども達の世界に立って活躍するのは自分にももしかするとぴったりかなって。
ーー俳優として、エンターティナーとしての加藤さんを応援しているファンの皆さんには、今後どんな姿を見せていきたいですか?
これからも常に自分自身をアップデートしていきたいです。「加藤諒」が変わり続けていると、みなさんも楽しんで貰えるじゃないかなと思うので。まだ発表はできないんですが…….今こっそり練習しているものがあります。来年辺りには披露できると思うので、楽しみにしててください!
編集部のここが「#たしかに」
凛々しい眉毛と丁寧な振る舞い。映画やドラマの中で一度観ると、どうしても目で追ってしまう加藤諒さん。
お話を聞いていると、メディアで拝見する加藤さんの「明るい笑顔」とは裏腹に日頃から入念な準備とトレーニングを積み重ね、周りにも気を配りながらも「お芝居」に向き合っているのだと感じました。
「変わり続けていると、みなさんも楽しんで貰えるじゃないかなと思うので」
相手の喜ぶ方法を考えながら仕事をする加藤さんのひとつひとつの姿勢は、例え全く違う業界で働いている私たちでも、仕事への向き合い方のヒントになるはずです。
インタビュー後編は、加藤さんが仕事や自身の考えが変わったきっかけについてお話しています。そちらも合わせて読んでみてくださいね!(後編: 9月3日公開予定)
■Information
映画『プリテンダーズ』
公開日:2021年10月16日(土)
出演:小野花梨、見上愛、古舘寛治、奥野瑛太、吉村界人、柳ゆり菜、佐藤玲、加藤諒、浅香航大、村上虹郎、津田寛治、渡辺哲、銀粉蝶
監督:熊坂出
公式HP
映画『老後の資金がありません!』
公開日:2021年10月30日(土)
出演:天海祐希、草笛光子、松重豊、新川優愛、瀬戸利樹、加藤諒、柴田理恵、石井正則、若村麻由美、友近、クリス松村、高橋メアリージュン、佐々木健介、北斗晶、荻原博子、竜雷太、藤田弓子、哀川翔、 毒蝮三太夫、三谷幸喜
原作:垣谷美雨『老後の資金がありません』(中公文庫、2018年)
監督:前田哲
配給:東映
公式HP
ライブイベント「超 SUPER LIVE」
会期:2021年12月28日、29 日
会場:豊洲PIT
公式HP
取材・執筆:吉野舞 撮影:Hiroki Yamaguchi 編集:#たしかに編集部