最初は理解できなかった母の言葉
ーーお話を伺っていると、仕事だけでなくご自身と真意に向き合う加藤さんの努力家な一面が見えてきました。
本当ですか?ありがとうございます!周りの方から「努力してるね」って言われると、そう思うことができます。
基本的に自分で「やれることは何でもやろう」と思って動いているからかな
ーー具体的に実践していることはありますか?
例えば、お芝居のワークショップを受けに行ったりとか、映画監督に「使いにくい見た目かもしれませんが、面白い役があればやらせて下さい」と営業したり……。
昔はテレビ番組のHPにある「出て欲しい芸能人リクエスト」のところに「加藤諒」って自分で書いて送ったりもしていました(笑)。
ーーそんなことまで!
そんな地道が努力があったからこそ、今に繋がっているのかもしれません。
ーーそんな自発的な行動になったのも、かのふるまいに厳しかった静岡時代のダンスの先生の影響ですか?
そうですね、先生のパワーを見ていると、「自分から動かなきゃ」と思ったんです。今でも仕事で会う人に、「何かあったら仕事受け付けますので」って言っています。
やっぱり仕事って人との繋がりが大切です。そこを自分で取り組めるのは、僕は小さい頃に母から「人を否定しない」ことを教わったからだと思うんです。
ーーお母様からの教えを今でも心がけているんですね。
僕は小さい頃、同級生や世間から浮く存在で爪弾きにされていたんですけど、「自分がやられて嫌なことは相手にしないこと。疎外してくる人たちの事を嫌いになっちゃだめだよ」って母が教えてくれました。当時は疎外していた人にやり返そうと思っていたので、言葉の意味が理解できなかったんですけど、相手に憎しみを抱いていても終わらないじゃないですか。
だったら、お互いに仲良くやれたら最高なので、「人を否定しない」ことを今でも心がけています。相手を否定してしまうと、他にどうする事も出来ないのでどうやって受け入れていくのかが、人との繋がりで大切だと思います
だから、僕のところに一度でも来た仕事や人の繋がりが消えてしまうのは、寂しく感じます。
ーー最後に、31歳になった加藤さんはご自身のことを「大人になった」と感じますか?
大人って、服装もお洒落で、お金を持っていて、ご飯はファストフードじゃなくて、ちゃんとしたものを食べていて、そして「ま、いっか」ができる人。
そんなイメージを想像していましたけど、自分が30代を迎えた時に全然そんなこともなくて、実際にファストフードもまだ食べてるし(笑)。年齢的には31歳と、立派な大人って言えるんですけど、中身はきっとこれからも変わらずこのままですかね。
編集部のここが「#たしかに」
加藤さんは取材中、どんな質問にも笑顔で答えていただき、時にはジョークを飛ばしてくれたりと常に取材側の緊張をほぐしてくれていました。
お母様から教わった「人を否定しない」ことを大切にしていると聞いた時、老若男女から愛される加藤さんのキャラクターと見事に一致しました。その教えを心に留めている加藤さんだからこそ、思わず引き寄せられてしまうような強い魅力を感じます。
自分の価値観で人を責めないこと。
一つの失敗ですべてを否定しないこと。
長所を見て短所を見ない。
人と関わる時に常に心に留めておきたいと思います。
加藤さんがこれからもどんな役柄や物事に挑戦するのかとっても楽しみです。
貴重なお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。これからも応援しています!
■Information
映画『プリテンダーズ』
公開日:2021年10月16日(土)
出演:小野花梨、見上愛、古舘寛治、奥野瑛太、吉村界人、柳ゆり菜、佐藤玲、加藤諒、浅香航大、村上虹郎、津田寛治、渡辺哲、銀粉蝶
監督:熊坂出
公式HP
映画『老後の資金がありません!』
公開日:2021年10月30日(土)
出演:天海祐希、草笛光子、松重豊、新川優愛、瀬戸利樹、加藤諒、柴田理恵、石井正則、若村麻由美、友近、クリス松村、高橋メアリージュン、佐々木健介、北斗晶、荻原博子、竜雷太、藤田弓子、哀川翔、 毒蝮三太夫、三谷幸喜
原作:垣谷美雨『老後の資金がありません』(中公文庫、2018年)
監督:前田哲
配給:東映
公式HP
ライブイベント「超 SUPER LIVE」
会期:2021年12月28日、29 日
会場:豊洲PIT
公式HP
取材・執筆:吉野舞 撮影:Hiroki Yamaguchi 編集:#たしかに編集部