九州八十八湯めぐりで修行者に
それからといえば、空いている日があれば九州の各地の温泉を巡るようになっていきました。
けれど巡るだけじゃもったいない、記録に残していきたい!
そう思い見つけたのが「九州八十八湯めぐり」。
これはJR九州の主な駅や、「九州八十八湯めぐり」対象施設の一部で発売されている御朱印帳ならぬ『御湯印帳』です。一冊100円で購入し、九州温泉道選定委員によって選ばれた温泉をスタンプラリー形式でめぐっていくというもの。スタンプや県の数に応じて、段位が上がっていき、みごと八十八湯制覇した暁には「泉人」の称号が与えられ、指定された温泉で優待を受けられます。
これを4年前から始めた私は最近やっと40湯制覇し、「初段」になりました。泉人の道のりはまだまだ長くて険しそうです……。
今回は、私がめぐった40湯の中で、おすすめの温泉を一つご紹介しますね。
名湯紹介・女が喜ぶ? 嬉野温泉『嬉泉館』
九州の温泉地といえば、大分県の別府・湯布院、熊本県の黒川温泉などが有名どころ。
ではみなさん、「嬉野(うれしの)温泉」はご存知でしょうか?
佐賀県嬉野市にある嬉野温泉は、島根県の斐乃上(ひのかみ)温泉、栃木県の喜連川(きつれがわ)温泉に並ぶ「日本三大美肌の湯」と呼ばれています。
「九州のおすすめの温泉は?」と聞かれた時、私が真っ先に浮かぶのは嬉野温泉。
嬉野温泉には何度も足を運びましたが、中でも『嬉泉館(きせんかん)』のお湯は格別です。
湯に含まれる成分や、成分の量による湯の特徴のことを「泉質」というのですが、嬉泉館の泉質は「ナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉」。
なにがすごいかというとまず、浴槽に足をつけた瞬間から違うんです。
「ザブン!」じゃないんです、「とぽん」ととろみを感じます。
そして源泉の温度は53.4度と高めな一方、湯加減は40度前後と心地よい温度。
大抵の温泉施設は、高温の湯を入りやすい温度にするために加水して調節しますが、嬉泉館はなんと一切加水はせず、一晩かけじっくり冷ましているんです。
嬉泉館のスタッフの方々の温泉に対する愛情、そして温泉に浸かりにくる人々への思いやりに心まで温かくなります。
湯上がりはさっぱりした清涼感! 肌を触ってみると、とてもすべすべで自分の肌をしばらく触っていたくなるほどです。
嬉野温泉の泉質には、古くなった角質を落とし、肌を滑らかにしてくれるクレンジング作用があり、また温熱効果もあるので、すぐに体が温まります。そのため、妊活中の女性も訪れるのだとか。
「女が喜ぶ」と書いて「嬉野」。その名の通り、女性にいいことづくしの温泉です。もちろん、最近は美意識の高い男性もたくさんいらっしゃると思うので、老若男女、美容と健康のために是非とも入って欲しい温泉です。
次回も温泉への愛をみなさんにお届けできればと思います!お楽しみに。
■Information
嬉泉館(きせんかん)
住所:佐賀県嬉野市大字下宿乙2202-18
入浴料:700円
営業時間:10:30〜21:00ごろ
定休日:不定休
http://kisenkan.spa-ureshino.com/
九州八十八湯めぐり
https://www.88onsen.com/
執筆・写真提供:森田菜月 編集:#たしかに編集部