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「業が深いんですよね」エンターテイメント界をとことん欲深く突き進む品川祐さんの野望とは

好きなことで走りきって、そのまま死ぬのが理想

150この先ドラマや舞台演出のお仕事も決まっているというお話もありましたが、今後の品川さんの野望をお聞かせいただけますか?

150本当に欲張りなんだと思うんだけど、今まで予算が大きければ大きいほどいいと思っていたんです。ハリウッド映画とか日本の大手の映像会社で映画を撮りたいなって。でもこの間、ローバジェット(低予算)で『リスタート』を撮ったときに、50歳手前でこんな泣けんだって思って。

150公式ブログでも拝見しました。熱い思いが綴られていて素敵でした。

150映画を観た人に感動してもらえるのももちろん嬉しいですけど、映画を撮った自分自身がこんなに泣けるなら、やっぱりこれやりてえなって。ローバジェットで無名の若い役者さんを集めて、僕はある意味学校の先生みたいな役回りをして、みんなに「これで人生を変えるんだ!」って思ってもらえる作品づくりをしたいですね。

でも一方で、規模の大きい映画で「監督〜」とか呼ばれて、車で迎えにきてもらって……っていうのもやってみたいんです。業が深いですよね(笑)。

たしかに品川祐さん

150いいですね(笑)。それぞれに全く違う喜びがありそう。

150あとは、奇跡的に僕がハリウッド映画を撮れて、奇跡的にレッドカーペットを歩いたとして、それでも『アメトーク』に出て有吉さんに何か言われたいっていう気持ちはありますね。映画で大成功しても、「バラエティのひな壇なんか」という気持ちにはやっぱり完全にはならないだろうし、どこまでいっても夜中にゲーム実況でゾンビに襲われて「あああ〜」とか叫び続けると思うんです。家族も大事にしたいし。

だからね、業が深いです。すげえ欲がある。楽しいです。若いときみたいにもはや服や車には興味なくなってきて、今はとにかくエンタメ業界を味わい尽くしたいです。

150めちゃくちゃいいなあ……。本当に楽しいのが伝わってきます。ちなみに今のところ、味わいつくせそうですか?

150いや、まだ無理ですね。

150時間が足りない?

150自分も役で出たいんですよ。自分の書いた脚本で監督して面白く撮るけれど、ポスターの中に自分がいない。普通だったらそれで満足なんですけど、僕は役としてそっちにも出たいんです(笑)。

150(笑)。たまに俳優さんが監督しながら主演を務めるケースはありますよね。

150ね。でも、自分で一人でかっこつけてセリフ言ったあとに「カット!はい、いいですね〜」ってするわけでしょ。「自分で自分の演技がいいと思ってんだ….」と周りからから思われるって考えたら恥ずかしい恥ずかしい!(笑) だから誰かオファーしてくれないかな~って。

たしかに品川祐さん

150今後品川さんが何かの映画作品に出演されているのを見たら、今日の話を思い出します(笑)。

150でも出演したら、監督やディレクターが羨ましくなるし、撮る側をやっていたら今度は出たくなる。だからもうゴールはないです。全部やりたい。

150このままいくと、いつか全ての役割をやってしまう日が来そうですね。

150実は、来年1年のスケジュールは埋まっているんだけど、再来年は休んで特殊造形の学校に通いたいなと思っているんです。撮っているうちに自分で技術を使ったり、特殊メークを作りたくなってきちゃって。

何年かやっていると、照明さんや編集さんの凄さに気づいたり、何もないところに世界観を作り出す美術に興味を持ったりして。自分でできたらめっちゃ楽しいなって。自分で特殊造形ができれば、専門家に頼まずに低予算でホラー映画も撮れますしね。

150やはり全て創作に繋がっていくんですね。この先もずっとものづくりを続けていくというのは、品川さんの中で揺るがないものなのでしょうか。

150そうですね。でも僕、あんまり人を羨むことはないんだけど、唯一綾部(綾部祐二/ピース)のことは羨ましいと思っていて。

150綾部さん! それはなぜですか?

150今ある仕事を全部辞めて、アメリカに行くって相当アドレナリン出ると思うんですよ。ドバドバ。それが唯一羨ましいですね。俺には嫁も子供もいるから、今の状況では絶対にできないけれど、誰も知らない街で一人やっていくってたぶん、アルバイトだって楽しいと思うし。

150たしかに。やりたいと思っても、なかなかできないことですね。

150わからないけど、僕も娘が大人になって家を出たらアメリカに行くのもいいなと思ったりしますけどね(笑)。

でもやっぱり、今の仕事に飽きずに走りきって、そのまま死にたいです。「悔しい、まだやりたいまだやりたい、うわ〜~!!!……(パタ)」が理想ですね。

たしかに品川祐さん

編集部のここが「#たしかに」

一番印象的だったのは、芸人としての夢に一度破れているが故に、手放しに今の方が幸せだとは言いたくないということ。

なんて素直な人なんだろうと、記事を書きながら心がざわざわとしてしまいました。過去の一つの負けを心に刻みながら、驕ることなく前進しつづけるのは簡単なことではないと思います。今が順調ならなおさらのこと。

でもその思いがあるからこそ、品川さんはこれからも決して満足することなく、縦横無尽に走り続けるのでしょう。

自分が好きなことなら、とことん欲深く、泥臭く生きていきていけばいい。そんな風に背中を押してもらったような気がします。

これからの品川さんのさらなる活躍を楽しみに。ありがとうございました。

■Information
映画「リスタート」DVD発売決定
発売日:2022年1月12日(水)
公式HP:https://restart.official-movie.com/
価格:税込¥4,180(税抜¥3,800)

執筆:むらやまあき 取材・編集:#たしかに編集部 撮影:番正しおり

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