きっかけは「何をする企業なのか分からない」の声
#たしかに編集部一同、純粋に「LIFULL STORIES」の一読者です。今日は編集長にお会いできて嬉しいです!
私も「#たしかに」を読んでいます。「#たしかに」ってネーミング、誰でも覚えやすくていいなあって思っていました(笑)
▲LIFULL STORIES編集長の田中さん
ありがとうございます(笑)まずは「LIFULL STORIES」がどのような経緯で作られたのか教えていただけますでしょうか?
LIFULLは、旧社名を株式会社ネクストといい、不動産・住宅情報サービス「HOME’S(現LIFULLHOME’S)」の運営から始まった会社です。HOME’Sの主要事業は不動産情報の提供サービスですが、住まい探しをする人たちに限らず、「世の中の人たちが安心と喜びを得られる社会をつくりたい」という理念があります。
2017年「LIFULL」の社名変更時にはLIFULLの社名認知獲得のためにCMなどでマスコミュニケーションを行っていましたが、「何をする企業なのか分からない」と言う声が根強く、なかなか一定以上には認知が広がらない状況が続いていました。
そんな中、「自社でメディアをやってみたらいいんじゃない?」という話が出たんです。
なるほど。企業の想いを伝える発信の場が必要であると。
そうなんです。社名認知を広げるためには、より深くLIFULLの企業姿勢を伝えることや多くの人との継続的なコミュニケーションの場が必要だと考え、社名変更から1年半後の2018年に「LIFULL STORIES」をスタートさせました。
今の編集部体制は20〜30代を中心とした女性3名、男性1名の4名体制で、記事は全部で200前後生まれています(2022年3月時点)。メディア内では「LGBTQだから」「都会に住まなきゃ」など「しなきゃ、なんてない。」のテーマのもと、世の中の既成概念の枠にとらわれずに自分らしく生きる多様な人達を紹介しています。
「しなきゃ、なんてない。」このテーマはどのようにして作られたのでしょうか?
LIFULLのコーポレートメッセージは「あらゆるLIFEを、FULLに。」なのですが、一人ひとりのLIFE(人生・暮らし)がFULL(満たす)になっている状態とはどんな状態か。コーポレートメッセージをかみ砕き、最終的にメディアを通して提供できる価値は何かと考えをつなげていきました。
一人ひとりのLIFE(人生・暮らし)がFULL(満たす)であるためには、一人ひとりが自分らしく生きられることが大切です。でも、社会や周りから言われた既成概念の枠が、気がつかないうちに自分の人生をコントロールし、生きづらさを感じている人は多いのではないでしょうか。でも、視点を変えればいつでもその枠を取り外し、自分らしさを発揮していけるものだとも考えます。一人ひとりが多様に自分らしく生きてほしい。自分を縛っている枠に気づくきっかけを作りたい、という思いを「しなきゃ、なんてない。」という言葉に託しました。
他にもコーポレートメッセージには「あらゆるLIFEを、FULLに。」とありますが、「あらゆる」って言い切るところが素敵だなあ、と感じていました。
実はコンセプトを作る時に、「あらゆる」か「全て」の二択で悩んでいたんですよ。そんな中、「全て」を選ばなかったのは、私たちは世の中の一人一人を見ていきたいはずなのに、「全て」にしてしまうと社会全体の人々を指すことになってしまうなって。
一人一人に寄り添って、小さな悩みやつまづきにもきちんと目を向けて行くという思いを込めて、最終的に「あらゆる」の方を選びました。結果的には「あらゆる」にして正解だったと思いますね。