教育で世界を平和にしたい!寄付の使われ方を辿って見つけた将来の夢
竹内さんはもともと子どもの頃から、勉強や学習に強い関心があったのでしょうか。
いえ!友達と遊ぶことが何より大好きで、勉強はそっちのけでしたね(笑)。小学生の頃は、下校してランドセルを置くとすぐに家の受話器を取って「ねぇ!今日遊ぼう!」と町内の友達一人ひとりに電話をかけまくっていました(笑)。その頃から営業の片鱗があったのかもしれません。誰とでも分け隔てなく遊ぶのが好きな子どもでした。
子どもらしい、わんぱく少年だったのですね!現在、起業家として活躍する竹内さんですが、子どもの頃はどんな夢を描いていたのでしょう。
ずっと「世界を平和にしたい!」と言い続けていました。これもまたとても漠然とした感じですが(笑)。
大きな夢ですね!
両親が発展途上国の支援やボランティアに熱心だったんです。そんな両親から褒められるにはどうしたらいいだろう?と考えを巡らせているうちに、自然と「世界を平和にしたい」と思うようになっていきました。幼少期から目立ちたがり屋でもあったので、できるかどうかは置いておいて、とりあえず褒められたい!そんな気持ちが先行していたように思います(笑)
子どもらしい素直な発想ですね!
実際に小学生のとき、クルド人自治区で地雷除去をしている人たちのチャリティー活動を間近で見る機会があったんですよ。そのときなんとなく「世界を平和にしたい」と口にしたところ、両親がすごく嬉しそうで。「よし!これだ!」と意気揚々と掲げるようになりました。
そこから「どのように世界を平和にするか」という具体的な部分が明確になっていったのはいつ頃だったのでしょう。
解像度が上がったのは、中学1年生の冬です。今でもはっきりと覚えているのですが、インドで大きな地震が起きたんですよ。当時、インドは貧しい国というイメージがあって。両親からも「もらったお年玉を寄付したらどう?」と勧められたんです。でも当時は「もらったお年玉を何に使おう?」とウキウキしていたので、直感的に「いやだな……」と思ってしまったんですね。インドに友達もいないし、行ったこともないし。
たしかに。子どもであればそう思うのが自然のように思います。
でも両親に「世界を平和にする!」と宣言しちゃった手前、断れば矛盾が生じるなと……渋々5,000円を寄付したんです。でもやっぱり納得できない部分もあって、「僕が寄付をしたお金は何に使われたんだ?」と自分で調べることにしたんです。
すごいですね!
すると、テントだったんですね。大人になった今では、一時避難所としてテントが必要な理由は十分理解できるのですが、中学1年生だった僕はそれを聞いて「え!テント!?」と思ってしまったんです。テントで一時的にしのげても、家は壊れてるし貧困でみんな困っているし、何も救えてないじゃん!と。
なるほど。
そこから沸々と何かが湧いてきて、自宅のPCの前に座り『インド 貧困 脱却』などと思いつく限りワードを入れて調べました。そこで辿り着いたのは、インド人として初めてノーベル経済学賞を受賞した、アマルティア・センの論文でした。内容はよくわからなかったのですが『どうやら、教育が重要らしい』と解釈をしたんです。
ほお!
お年玉の使われた先が「テント」では納得のいかなかった当時の僕は、「これだ!」と思いました。世界を平和にするのに必要なのは「教育」だと。それから「教育格差の是正を通じて、世界を平和にすることに貢献したい」という夢を掲げるように。教育が僕の中で一つの大きなテーマになった瞬間でしたね。