毎日に余白を
届ける

価値観発見
メディア

一杯のスープから、やさしさの連鎖を生むために。スープストックトーキョーが発信し続ける理念

批判に立ちすくむのではなく、必要とする人に届ける

たしかに編集部離乳食無料提供の発表後、SNSでさまざまな意見が飛び交いました。なかには「一人で来店する女性客の居場所を奪うのか」といった声も。

たしかに編集部でも、先ほどのお話だと、「Soup Stock Tokyo」はそもそも女性客だけをターゲットにしているのではなく、年齢や性別に関係なく、一人でも家族でも、あらゆるお客さまにとって居心地の良い店舗を目指しているということですよね。

工藤さんそうですね。実際に離乳食(後期)を必要とするお子さま連れの方は、全体のお客さまのなかではごく一部。しかし、お客さまから具体的なニーズが届いたから対応するのではなく、スープストックトーキョーが掲げる「Soup for all!」という価値観のもと、「必要とする人に届けるべき」だと考え、実施は必然だったと思います。

たしかに編集部SNSでの騒動から約1週間後に声明文を発表しました。謝罪やサービスの見直しではなく、自社の考え方を明らかにする内容に、スープストックトーキョーの揺るがない価値観を感じました。

工藤さん「Soup for all!」の価値観は全社員、パートナーに浸透しており、離乳食無料提供についても社内では「やるべき」という意見で一致していました。声明を出すかどうかは、お店での混乱だけは避けたかったので様々な議論をしましたが、我々がするべきことは「理念をきちんと発信する」ことなのだと考え、声明文の発表に至ったのです。

たしかに編集部発表後、世の中やお客様からはどんな反応が?

工藤さんたくさんの応援メッセージをいただき、逆に私たちがお客様から励まされました。

たしかに編集部無料提供の開始から8カ月経ちました。お客様の反応や社内の変化を教えてください。

工藤さん私たちのお店の接客にはマニュアルがありません。常に「この行動はお客さまの体温をあげるかどうか」を基準にしています。もともと、お客さまの状況に合わせて一言をかけたり、行動を起こすことのできる仲間ばかりですが、離乳食の無料提供という公式のサービスが加わったことで、お客さまの状況に合わせた行動に対する賞賛のお声がさらに多く届くようになりました。例えば、お子さま連れのお客さまのベビーカーをお母さまの代わりに揺らして「温かいうちにゆっくり召し上がってくださいね」と声をかけてもらって嬉しくて涙が出たというようなメールをくださるんです。嬉しくてこちらの体温まであがります。こうした行動に対する賞賛のお声は日々届いており、すぐに全社員に配信されるのでみんなの力になっています。

follow us
Twitter
Facebook
Instagram