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「業が深いんですよね」エンターテイメント界をとことん欲深く突き進む品川祐さんの野望とは

芸人も監督も、満足することは一生ない

150今年2021年には監督・脚本を務められた映画『リスタート』も公開されましたが、今は芸人と監督のお仕事はどんな割合でやっているんですか?

150芸人が2で、映像監督の仕事が8ですね。

150監督の割合がかなり多いんですね。監督業を始められてもう15年以上になると思うのですが、現場ではどんな思いでやっていらっしゃいますか?

150僕の場合はですが、一生懸命「いい人」でいようとします。監督をやるときはやっぱりいいものを作りたいから、一緒に仕事をする才能のあるカメラマンさんや照明さんをはじめとするスタッフの方たちに、パフォーマンスを上げてもらう必要がある。だから、みんなが働きやすい場所にしようって考えてやってます。

たしかに品川祐さん

150いい監督だ……。

150でも、1か月だけでいいんですよ。監督は、撮影期間の1か月限定でいい人でいればいい。これがもし企業の上司や社長だったりしたら、ずっとカリスマ性を保っていい人でい続けなきゃいけないじゃないですか(笑)。

150なるほど(笑)。いいものを作りたいという思いと、期間限定だからこそ、とことんいい人でいることができる。

150そう。もし現場で他の人の嫌な部分を見たとしても、撮影は1か月で終わるし、作品ができて打ち上げをする頃にはもう嫌なことは忘れて、楽しい気持ちでみんなと過ごせる。「いろいろあったけど楽しかったね、じゃまたどこかで」って。これがすごくいい。

150そのくらい潔い関係が品川さんにとって気持ちが良いと。

150そうそう。バラバラのところから集まってひとつの作品を作って別れるということ自体が、まさに一つの映画や小説のストーリーのようなものなんですよ。

だいたい、誰かが仲悪くなったりとか仲間割れしたりとか(笑)。嫌なやつだったのに最後いいやつになって活躍したりとかね。撮影中にもそういう小さなストーリーとかお笑いの種があるので、それをまた別の作品の脚本やトークのネタにしたりして。ずっと楽しいんです。

150前編にもありましたが、本当にどんな体験も余すところなく別の創作に生かされていてすごいなあと……。その期間中は品川さん自身も、どこか演じている感覚なんでしょうか。

150そうですね。「普段はこんなんじゃないよ、いい人でいようとしているだけ」って、みんなにも言ってます。最近は3か月間かかる作品を撮っていましたけれど、それも期間限定だから耐えられる。次のドラマになれば、また新しい役者さんやスタッフさんたちと出会うので。

たしかに品川祐さん

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