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テレワークの先駆け「knit」小澤さんが考える、どんな世の中でも自分らしく働くためのヒント

日本で、海外で突っ走ってきた

——リクルートに入る時の志望動機は「経営者の参謀になること」だったと聞きました。

うちは父方も母方も自営業なんですよ。小さい頃から経営者の悩む姿や孤独な姿を見ていたので、野心を持ってる人を支えたいという想いが強かったんです。そのためにも20代のうちに死ぬほど働いて営業やマネジメントを学び、30代までにキャリアの選択肢を増やしたいと思っていました。

——先を見据えてたんですね。描いていた通りになりましたか?

10年間、楽しかったけど、本当に死ぬほど働きましたね(笑)。最後の2年間はマネージャーでしたが、どうすればメンバーがついてきてくれるか悩むことも多く、当時はハゲるわ老けるわで大変でした(笑)。

(リクルート時代の仲間と)

「1日電話掛け100件!」みたいな新規営業の部署で50人のメンバーを抱えたり、別のチームでは自分より年上のメンバーをマネジメントしたりと、いろんな難しさがありました。でも、どんな人でも絶対に成長すると信じて、その時できる一番誠実な選択をしていたように思います。

——そこからいきなり中米のベリーズに渡るなんて、すごい展開ですね。

もともと旅行が好きで、一人旅でベリーズに行った時に知り合った現地の日本人社長から「観光の仕事をしないか」と誘われたことがきっかけでした。仕事を10年突っ走ってきて、この先どうしようかなと考えていたし、当時は結婚もすごくしたかったんです。

「週に1回は婚活パーティーにでる」っていう自分のなかでのKPIも引いて、真剣に婚活してましたし(笑)。でも、ベリーズは日本でもほとんど知られてない国なので、もしかすると世界初のことができるかもと思って。めちゃくちゃ迷いましたが、ベリーズ行きを決めました。

カリブ海に面し、豊富な観光資源を持つベリーズ

——小澤さんがベリーズの日常を発信していたブログも拝見しました! 現地ですごく話題になっていたとか。

わぁ、嬉しい! ベリーズではツアーコーディネートが主な仕事でしたが、ブログに力を入れたり、日本の観光雑誌やメキシコ在住の日本人に売り込んだり、ベリーズのことを知ってもらおうと全力を注いでましたね。海のプロになろうとダイビングのプロライセンス(ダイブマスター)も取得しました。

ベリーズを自分なりに盛り上げたいと現地で起業もしましたが、当時は1人社長だったので、嬉しいことの共有する人がいないことや悩んだ時などはすごく孤独でした。「楽しかったよ」とお客様に言っていただいても、嬉しいというよりは、ただ安堵しかなくて……。自分が牽引するというより、野心のある人を支えるような「参謀」の方が向いている、と痛感しました。

——異国の地で会社を立ち上げるだけでも大変なのに、すべて一人でこなしていたんですもんね。

何よりも仲間がほしいと思ったし、「旅は大好きだけど極論、なくても生きていけるもの」だと感じるようになっていきました。自分が人生をかけてやりたいことって、これまで続けてきた人(HR)にかかわる仕事だなと思って。 

観光業を離れ、knitに入社して1年経ちましたが、「これまでやってきたことはこの仕事に出会うためだったんだ」って思えるくらい、今一番仕事を楽しんでいます(笑)。

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