毎日に余白を
届ける

価値観発見
メディア

「自分たちが子どもの頃に出会いたかった、選択肢を与えてくれる大人になりたい」――悪役俳優ユニット「純悪」が目指すこと。

子どもたちへの支援がいつの間にか「自分のために」

たしかに編集部「純悪」は、山根さんが始めた全国の子ども達と映像作品を作る「ダンコミプロジェクト」にも積極的に参加されていますよね。

山根さんはい。僕が始めたプロジェクトなんですけど、時々阿部ちゃんにも協力してもらっています。最初は「僕が関わっている子どもにはこんな可能性があるよ」ってことを伝えるために始めた活動なんですけど、僕自身も学ぶことが多くて、いつの間にか子どものためより「自分のため」になってることに気づきました。

ダンコミプロジェクト 松山・道後編

たしかに編集部子どものための活動が、結果的に自分のためになっているとは、どういうことでしょうか?

山根さん実際に子ども達に会ってみると、子どもならではの「素直さ」に衝撃を受けたり、「なんだか自分ってつまらない人間になっているな〜」って感じたりして、すごく刺激を受けるんですよ。子ども達から学ぶことは本当に多いです。

それに全国を回って感じたのは、都会に比べてどうしても田舎の子ども達は進路や将来を考える選択肢が少ないこと。だから田舎にいても、自分の得意なSNS発信などを通して、子ども達の可能性を増やしてあげたいと思うようになりました。

阿部さん僕は昨年第一子が生まれたんですけど、「この子が知らないことは無くしてあげたい」と強く思うようになって。子どもだけじゃ知らない情報もあるし、「こんな世界があるんだよ」って言える大人になりたいんです。だからプロジェクトでは、すごくいい体験をさせてもらっています。

たしかに編集部子どもの視野って、生まれた環境や過ごしている地域性によって、世界が狭くなってしまうこともあり、そういう意味では子どもの頃から魅力的な大人に出会う機会があるかないかは大きく影響しそうですよね。

阿部さん本当にそう思います。僕は昔、プロ野球選手を目指していたんですけど、高校の卒業時にプロ野球選手には届かないと自分からプロ野球選手という夢を諦めてしまった経験があるんです。

だけど甲子園に出なくても、ドラフトにかからなくても、野球を続けて、大学生から、社会人からなど、プロ野球選手になる人は沢山いる。高校生の自分はそれに気づけなく、自ら諦めてしまった。例えば、そんな人生の選択肢を教えてくれる大人がいたらよかったなって今でも思うんですよね。

たしかに編集部たしかに…あとで戻れないような選択肢を10代でも迫られる構造になっていますよね。「もっと早く知っておけば良かった」と後から思っても、ずっと心の中で残り続けますよね……。

阿部さんそうなんです。それこそ和馬がよく「自分が子どもの頃に出会いたかった、選択肢を与える大人になりたい」って言っているんですけど、まさに僕たちは、そんな大人になりたいんですよ。僕も高校生当時、色んな選択肢を教えてくれる大人に出会えていたら人生が変わっていたのかもしれないと思うので。

山根さん今はSNSでも色んな生き方の人を探せる時代ですし、純悪の活動も「誰かを変えたい」と思ってやっている訳ではないんですけど、「純悪」と関わってくれた子どもが「世界は広いんだ!」と思って、自然と意識が変わってくれたら嬉しいですね。
SNSで色んな情報は得られるけど、一方で浅い情報もたくさんあるから、そういう情報に子どもたちが騙されないよう、疑う視点を持つように、動画コンテンツを通じて発信していけたら、とも日々考えています。

真ん中にあるイラストは、純悪の活動を通して出会ったお子さんからプレゼントされたもの。額に入れて大切に飾ってある。

follow us
Twitter
Facebook
Instagram