
子育て、仕事etc.家族で移住ってむずかしい?カフェ『tigris』オーナー夫妻の理想の暮らしの探り方

家族の暮らしってどうやって決めてるの?
結婚したり、子どもが生まれたり。人生の変化にともなって、暮らしのスタイルは少しずつ変わってゆくもの。独身だったら自分ひとりでなんでも決められますが、家族がいればそうはいきません。
どのように暮らしたいかという自分の気持ちだけでなく、家族の希望もあり、また夢や仕事、暮らしのバランスもありますよね。家族全員にとって最適な暮らしの見つけ方って?
お子さんが1歳になる前に家族で移住を決めたカフェ『tigris』のオーナー夫妻に、理想の暮らしの探り方について、お話をうかがいました。
加藤朝彦(ともひこ)さん、聡子さんプロフィール
北海道の喜茂別町に2019年5月OPENしたカフェ『tigris』のオーナー夫妻。朝彦さんは東京の会社でデザイナーとして勤務後、2017年に喜茂別町の地域おこし協力隊に応募し家族で移住。カフェオープンに伴い、地域おこし協力隊を退任。2020年10月にはカフェ運営や地域課題の解決を目的とした合同会社まるめがねを設立。聡子さんはフリーランスのライターとして活躍しながら、時々カフェにも立っている。

時間が育む心地よさ。リノベーションでカフェを開業。
――先日はカフェから地域を元気にするお話、とても興味深かったです。今回は店舗づくりのこと、お二人の移住についてうかがいたいです。よろしくお願いします。
朝彦さん:カフェ『tigris』の建物は、もとはクリーニング店兼住居だったんです。地域おこし協力隊として活動していく中で、「ゆくゆくは場づくりがしたい」と事あるごとに話していたら、この建物を取り壊すという話を聞いた知り合いが、「加藤がやりたいことを、できそうな場所があるよ」と紹介してくれたんです。
――やっぱり、やりたいことは声に出して発信するのがいいんですね!
聡子さん:ひとりで住んでいた持ち主の方が、札幌に住む家族のところへ行くことになって。築50年の建物を壊して更地にする計画だったんです。
朝彦さん:2人でここを見た時ひと目で気に入り、壊さないでとお願いし、そのまま譲っていただきました。
――リノベーションは、ご自身でされたとか?
朝彦さん:大工仕事ができる友人たちに手伝ってもらいながら作りました。移住してからのご縁で、知り合えた方々です。たくさんの人が力を貸してくれました。
――雰囲気がとても素敵です。リノベーションって最近注目されていますよね。
朝彦さん:この場所に50年建ち続けたアイデンティティを大切にしたくて、内装も解体した時に出た廃材や当時の建具を再利用しました。
聡子さん:やっぱり新築には出せない味がありますね。コストが抑えられるのも魅力でした。
――時間が作ってきた心地よさもあるような気がします。ところで、移住に至った経緯も教えてください。どちらの希望で、移住を決めたんでしょう?
朝彦さん:僕です。地域おこし協力隊に応募し、家族でこの町にやって来ました。
▲リノベーションの様子。カフェ2階の居住スペースの床に、自ら床材を1枚1枚張る朝彦さん
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