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子育て、仕事etc.家族で移住ってむずかしい?カフェ『tigris』オーナー夫妻の理想の暮らしの探り方

仕事と子育ての両立に行き詰まった、東京での暮らし。

――どのようなきっかけで、地域おこし協力隊に応募したんですか?

朝彦さん:色々と理由はありますが、まずは僕自身のキャリアプランです。もともと東京でデザイナーをしていましたが、将来のキャリアがある程度見えた時に「もっと別のところでチャレンジしたい」という考えが生まれたんです。

移り変わりの激しいIT業界で10年先を考えた時に、自分はどう立ち振る舞うといいのか。歳を重ねた自分の経験は、どこに活かせるのか。それらを踏まえて自分の中のデザイナー像を見つめ直したんです。それで、上京当時から考えていた「経験を地元に還元したい」という想いを実現させるために協力隊に応募しました。

――自分を活かせる場所をと、考えたんですね。

聡子さん:子どもが生まれたことも大きいです。私は東京でフリーランスのライターをしていたのですが、出産後仕事復帰を考えた時に、子どもの預け先が見つからなかったんです。保育園の待機児童になってしまった。子どもを預けられないと取材に出られないし、そもそも原稿を書くこともできなくて。夫に会社を休んでもらったり、託児所付きのコワーキングスペースで原稿を書いたりと、子育てと仕事の両立がたいへんでした。

――働きたくても働きづらい状況になってしまったんですね。

朝彦さん:東京で子育てをしていく自信がなくなってしまったんです。だったら自然豊かなところでのびのびと子どもを育てた方がいいんじゃないかと。

聡子さん:もともと夫は北海道出身で「ゆくゆくは故郷に帰りたい」と聞いていたので、いずれは行くんだろうなとは思っていたんです。だったら今でもいいかなと、夫が移住したいと言った時に賛成したんです。

――ちなみに聡子さんは、ご出身はどちらなんですか?

聡子さん:鳥取県です。実家からはだいぶ遠くなりますが、東京にいた時も頼れる距離ではなかったし、北海道には夫の両親がいるので、逆に安心かもしれないと思いました。といっても、義実家までは車で2時間かかるんですけど(笑)。

朝彦さん:北海道では近いほうです(笑)。

――北海道は広いですしね(笑)。喜茂別町を移住先に選んだのはなぜでしょう?

聡子さん:以前夫の実家に帰郷した際、喜茂別町に立ち寄ったことがあったんです。仕事で関わった書籍で、喜茂別町のとあるパン屋を紹介したことがあって、行ってみたいと前々から思っていて。実際来てみたらすごく山が綺麗で「こんなところに住めたらいいな」と感じたんです。

朝彦さん:一方で、豊かな自然に反し交通量がとても多い町なんです。喜茂別町は新千歳空港や札幌からニセコへ行く通り道にあるのですが、年間約244万人もの人が往来しています。その足を止めることができたら、ビジネスチャンスがあるんじゃないかと。そしてたまたま地域おこし協力隊の募集もあり、さまざまな条件が重なり移住へと踏み出しました。

――この町がまず候補にあがって、地域おこし協力隊という選択肢だったんですね。

聡子さん:何もない状態で移住するのは不安が大きいですよね。その点、地域おこし協力隊はとても良い制度。安定した収入も得られるし、町の仕事をしながら、町を知ることもできるし。

tigris “羊蹄山”、“尻別岳"

▲右に見える山は蝦夷富士ともいわれる“羊蹄山”、左は“尻別岳”。自然に囲まれた暮らし、憧れます

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