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田舎暮らしに憧れる、都会育ちのバリキャリ女子が、Iターン転職を叶えて気づいたこと。#たしかに

パソコンひとつで、どこでも仕事ができるように。

――卒業後は、どうするか決めているんですか?

まだ全然決めてないんです。周りの方には残ってと言われますが。「地元の人と結婚して」ってそれは違うでしょうと(笑)。

――たしかに、結婚ではなく、必要なのはポジションですよね(笑)。

その辺はまだ意識が…。一方事実、街の同世代の人はすでに結婚している方は多いです。実は事業を始めました。昨年、福岡県の起業家養成アカデミーに参加したんです。自治体によって違いますが、地域おこし協力隊は副業OKなところも多いのです。

――そうなんですね。どんな事業なんでしょう?

きっかけはコロナで、市内のかつお節業者さんが困っていたこと。2020年の4月、東京で緊急事態宣言が発令された頃、枕崎市はまだ影響はなくどこか他人事のように感じていたんです。ところが、枕崎市の主産業であるかつお節業者さんが大変だと。東京の飲食店の自粛要請に伴い、卸し先がなくなってしまったと。

――たしかに、家庭で出汁をとることも減っていますよね。かつお節は業務用がメインなんですね。

枕崎市は、かつお節の生産量が日本一なんです。国産の約5割を占めています。街にはいつもかつお節の良い香りが漂っているのですが、発注がなくなって工場も止めざるを得ない。工場が止まれば漁師さんにも、負の連鎖が始まってしまう。もしかしたら枕崎市の文化が途絶えてしまうかもしれないと、危機感を覚えました。

そこで今まで卸一本でやってきた業者さんに少しでも多くの販路をと、『REHOME DELI.』というECサイトを作り小売を開拓しようと考えたのです。

――おこもりに伴ってネット通販の利用者は増えたようですし、いいアイデアですね。

コンセプトは「“ふるさと孝行”しよう」。県外に住んでいる人に地元を応援してもらいたい、そんな気持ちを込めました。現在は「ネット通販に興味があるけどやり方がわからない」という九州の企業を中心にお手伝いしていますが、いずれは全国に広げたいと思っています。

サイトに来てくれた方の地元の商品が載っていたらいいなと思って。売上の一部は当該地域の障がい者支援施設や子ども食堂を運営するNPOへ寄付もしています。地域全体がより元気になっていくことを願って。

――立夏さんの、理想の生き方ってどんな形でしょう?

場所に囚われたくないというのはありますね。理想はパソコンひとつで、どこでも仕事ができること。今はオフィスレスなスタイルを多くの人が実践していますが、それをこれからも続けていきたいです。今の家は近くに海があって夜は星が綺麗で、理想の環境です。自由にどこでも仕事ができるように、自分を高める挑戦は続けていきたいです。

篠塚立夏さん たしかに

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▲イベントで削りたてのかつお節を振る舞う立夏さん

編集部のここが「#たしかに」

「パソコンがあればどこでも仕事ができる」。仕事に対する自信がなければ、なかなか言えないこと。オフィスレスで仕事を続ける覚悟を若くして持つ立夏さんに負けてられないなあと、気持ちが引き締まりました。

それにしても、すぐ近くには海、夜空にはきらめく星とは羨ましい環境!立夏さんのインスタグラムには、枕崎市の魅力がたっぷり詰まっていました。たしかに転職の選択肢として、地域おこし協力隊はありかもしれませんね。立夏さん、ありがとうございました!

篠塚立夏さんInstagram
https://www.instagram.com/licca.898/

REHOME DELI.
https://rehome-deli.com

取材・執筆:松村聡子 編集:#たしかに編集部

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