生きづらさを抱える人の、光になりたい
ーー『chicchi works』ではアクセサリー以外に、お二人でYouTubeでの発信や楽曲制作もやっていますよね。こちらはどんなきっかけで?
けんご もともとはInstagramのライブ配信サービスが始まりたての頃に、アクセサリー用のアカウントで自分たちについて発信をしていたんです。本格的に始めたのは、全国をポップアップストアでまわりはじめた頃だよね。
ちっち そうね。その頃は自分が脱皮している自覚があって、「アクセサリーを作ってるけど、もっと心のことを言いたい。わたしの生き様を伝えたい」って思っちゃったんです。
以前、ブログで自分と同じ病気を克服した人を見つけて、直接会いに行ったことがあって。もともと、うつ病も摂食障害もずっと付き合っていかなきゃいけないものだと思っていたんです。でも、その人のおかげで出口がないと思ってた真っ暗闇のトンネルに急に光がパッと見えたんですよ。その経験があったから、今度は自分がその光側になって同じような生きづらさを抱える人を導かなきゃって。それはもう、わたしにとって使命でした。
ーー誰かに頼まれたわけではないけれど、生きている以上自分がやるべきだという使命感。すごくわかる気がします。
ちっち わたしは、アクセサリーというよりも自分自身に確信を持っていたんです。自分の思いや心について発信することが、本当にやりたいことだって。だから、そこに関しては全く弱気じゃありませんでした。
でも、正直みんなアクセサリー屋さんにそんなこと求めていないから、始めのうちはフォロワーがめちゃくちゃ減りましたね(笑)。
けんご 結構辛かったよね(笑)。
ちっち ね(笑)。毎週水曜日の夜8時に、二人でみんなの相談に乗ったりとか、なんでこういう発信をしているかを伝えたりするようになったら、受け入れられない層と、めちゃくちゃ共感してくれる熱狂的なファンに分かれるようになったんです。減って、減って、濃くなった。だから、辛かったけど楽しかった。
けんご 本来アクセサリーブランドといえば、ブランディングをしっかりして、きれいでわかりやすい写真でSNSのフィードを固めてアピールしていくのが一般的だけど、僕らはそこに気持ちを乗せたくなっちゃった。きれいにかっこよくできなかったんだよね。
ちっち そうそう。伝えたいことが泥臭いから、きれいに見せようとすると自分らしくないって思っちゃうんです。だから、ありのままの自分たちを発信し続けることにしました。
そうするうちに、今まで「アーティスト」と名乗ってたけれど、本当はタレントになりたかったことに気づいたんです。小さい頃から服作りも音楽もできるマルチなタレントさんに、ずっと憧れていたことをようやく自覚した。それで肩書を「エンターテイナー」に変えました。
けんご とはいえ、Instagram上がいろんな発信でごちゃごちゃになってしまったので、僕らが自分自身を出す発信の場はYouTubeに移すことにしました。今は、『chicchi works』のチャンネル名で二人で定期的に発信をしています。
ちっち わたし、日本を照らしたいと思ってるからね! ビッグマウスって言われてしまうかもしれませんが、本気で思っているからいいんです。これからの時代、AIがどんどん発達していく中で多くの人が自分自身を見つめざるを得なくなると思うんですよ。「自分って何者なんだろう」って。
そうなった時に、自分が光側に立って「世間にどう思われても、本当に自分のしたい生き方をしている人が魅力的なんだよ」って言い続けたい。わたし自身を見てそう思ってもらえるようになりたいって思っています。